空道とは 国際空道連盟大会規則

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大会規則

第一章 試合場

第1条
試合場は、高さ60cm以下とし、13m四方の広さの中央9m四方を場内とし、その周囲2mを場外とする。場外との境界に場外注意表示90cmを設ける。試合場は、可能な限りシートで覆う。2つ以上の隣接した試合場を設ける場合は、両試合場の間に4mの共用の場外域が確保されなければならない。
第2条
正面から見て左手に青、右手に白の開始線を設ける。開始線の間隔は1.8mとする。
第3条
試合場は「投げ」による攻防を考慮し、マットもしくは畳などにより、相応の弾力をもたせること。

第二章 服装

第4条
試合者は、指定された青もしくは白の空道着を着用する。
第5条
試合番号がある場合は、番号が小さい側が青の道着を着用する。番号がない場合は対戦表上下の上、もしくは左右の左が青の道着を着用する。ゼッケンがある場合は、大会主催者の指示に従って道着に縫いつけなければならない。
第6条
道着上衣の袖は腕を下にたらした時に肘に掛かる程度の長さ、袖口は皮膚をつままずに掴みが可能な程度、道着下衣の裾は踝から5㎝前後の長さ、裾口は皮膚をつままずに掴みが可能な程度、帯は結んだ時に太腿半ば前後の長さまでとする。
第7条
道着に許されるパッチは縦横の合計が18㎝以下、貼付が許可される場所は左袖のみとする。ただし、国際大会においては、国代表としてのエンブレムを左胸に貼り付けることを許可する。
第8条
試合者は、指定された顔面プロテクター、フィストガード、帯止めを着用する。
第9条
顔面プロテクターは、後部の上下2か所をそれぞれヒモで固定しなければならない。
第10条
指定された道着、防具の加工をしてはならない。
第11条
試合者の道着の下は、上半身は裸体、下半身は下着とファウルカップを着用する。

注1)
女子の試合者の道着の下は、上半身は柔らかな素材の下着とTシャツ等の白または黒色の上衣一枚および指定された胴プロテクターを、下半身は下着と女子用ファウルカップ、脛サポーターを着用する。
注2)
長髪の選手は柔らかな素材のもので髪の毛を纏め、マスク外に髪が大きく出ないようにしなければならない。
第12条
試合者は、マウスピースを着用しなければならない。
第13条
試合者がバンテージ着用を希望する場合は、指定バンテージでなければならない。
第14条
その他の上半身、下半身の衣類は、大会本部に事前に申告、許可を得なければならない。

注)
その他の衣類については白または黒色のものを着用するものとする。
第15条
大会前、又は大会中の怪我等のためにサポーター、テーピング、包帯等を使用したい場合は、事前に大会ドクターに許可を得なければならない。サポーターを使用する場合は、医師による診断書を提出しなければならない。
第16条
道着、防具は、やぶれや汚れ、悪臭のない清潔なものを着用しなければならない。
第17条
試合者は、爪を短く切り、金属その他、相手に危害を及ぼす恐れのある物は一切身に付けてはならない。
第18条
バンテージ以外の上記の事柄は、一試合前に選手待機場所で選手係によって確認されていなければならない。
第19条
バンテージは、一試合前に選手待機場所で相手側セコンドによって確認されていなければならない。

第三章 参加条件(安全面)

第20条
大会前14日以内に、頭部への直接打撃・ノックダウンが認められている空道または他競技の試合に出場していないこと。
第21条
大会前90日以内に、空道もしくは他競技の試合・練習における頭部打撃によるノックダウン(いわゆる打撃技のみならず、投げ技によるものも含む)、または絞め技による失神(瞬間的なものも含め意識を喪失した状態)を喫していないこと。また、大会前90日以内に、頭部打撲を伴う事故(交通事故・転落・転倒等、原因を問わない)を喫していないこと。
第22条
原因を問わず頭部打撃や打撲により入院を要した場合は、医師の診察・承諾を得た上で、診断書を提出すること。
第23条
上記に加え、180日以内に2度以上ノックダウンがあった場合は120日間、1年以内に3度のノックダウンがあった場合は150日間の試合停止とする(最後のノックダウンから換算)。また、試合停止期間が明けてから試合に参加を希望する場合は医師による頭部CTスキャナー検査を含む精密検査に合格し、医師の診察・承諾を得た上で、診断書を提出すること。
第24条
本大会の競技ルールで試合を行う事で後遺症の可能性のある頭頸部、脳や脊椎(頸椎・胸椎・腰椎など)、心臓等の身体枢要部分に関する疾病、障害、先天性奇形等の診断を受け治療中を含めそれらの既往症が無いこと。また、HIV、ウィルス性肝炎等、出血による感染の可能性のある疾患や、世界保健機関や開催地が極めて危険で入国制限・入院等の行動制限を求める感染症(エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡、南米出血熱、ペスト、狂犬病など)の治療中またはキャリアの疑いがある旨の診断を受けていないこと(完治している場合を除外)。四肢の骨・関節・腱・靱帯や感覚器をはじめ、身体のあらゆる部位に関して本大会での試合が規定通りに行われた結果、後遺症の残る障害を負ったとしても主催者側に保障責任がないことを承諾していること。

注記)
第三章 参加条件(安全面)でのノックダウンとは「意識喪失・記憶障害・頭痛・めまいやふらつき、嘔吐などの脳震盪症状があった場合を指す(これらの症状は急性硬膜下血腫など深刻な障害の疑いがある)。ノックダウンから試合までの期間が規定以下の場合や原因を問わず頭部打撃や打撲により入院を要した場合は、意識障害・記憶障害などの重篤な症状がなく、段階的復帰プロトコル(GRTP)に従って競技復帰した選手が医師の診察・検査結果「参加可能」である場合に限り、診断書などを添付して主管する空道機関(国際空道連盟・全日本空道連盟など)に参加申請することができる。主管した空道機関が承認した場合、特例で参加を許可することもある。

第四章 試合方法

第25条
試合は場内で行うものとする。
第26条
試合者は、試合場の中央1.8mの距離をおいて立ち、主審の指示でまず正面に礼、次いで主審に礼の後、互いに向き合い礼を交わし構え、主審の「始め」の宣告で直ちに試合を始める。
第27条
試合は、「本戦」3分、「延長戦」3分、「再延長戦」3分とし、その間の休息は30秒間とする。
※女子の場合は、「本戦」から「再延長戦」まで、各2分とする。
第28条
試合は、禁止箇所を除いて、突き、蹴り、肘打ち等を全身に直接加撃することによって「一本」を奪うか、絞め、関節技で「一本」を奪う、もしくは「技有り」「有効」「効果」によるポイントの多少で勝敗を決する。
第29条
一本の技ごとに試合を中断せず、試合時間中をフルに闘って勝敗を決める。
(但し、少なくとも一方がダウンを伴う「有効」以上のポイントを奪取した場合、場外に出た場合、寝技が終了した場合を除く)
第30条
「投げ」、および「投げ」からの突き、肘打ち、蹴りによる「極め」も有効な攻撃とする。
第31条
「本戦」、「延長」もしくは「再延長」の3分間において各2回、各々30秒間の寝技の攻防を認める。
※女子の場合は、各1回とする。
第32条
関節技や絞め技については見込み一本は宣しないので選手は反撃不可能な場合は必ずその意志表示をすること。
第33条
身長と体重の数値の和を「身体指数」とし、これで以下の階級に分ける階級別制を採用する。
① 230以下 ②240以下 ③250以下 ④260以下 ⑤260超
(国際大会は、⑤270以下、⑥270超)
※階級分けのない「無差別大会」を実施することもある。
第34条
身体指数(身長の㎝数値+体重の㎏数値)の差が20以上ある場合はファウルカップを着用し、両者に蹴りによる金的攻撃を、差が30以上ある場合は、拳もしくは掌底による金的攻撃も認める。 
第35条
「階級別大会」においては各クラス優勝者の中より、決勝までの全試合の取得ポイントの合計を試合数で割った数値のもっとも多い者を最優秀勝利者とする。
※「無差別大会」での3・4位及び5~8位の順位も同様にして決定する。 

第五章 審判員

第36条
審判団は、主審1名、副主審1名、副審3名の5名をもって原則とする。
第37条
審判団に加えて、監査役1名を置く。
第38条
監査役は、判定には関与せず、以下の役割を持つ。

  1. 主審からの要請に応じて、各種の助言や、寝技の攻防の回数の回答等
  2. 金的等の違反行為に関する助言、悪質な違反行為の判断と審判長への説明・進言
  3. 大会ドクターの登壇要請(主審、副主審とともに、要請権限をもつ)
  4. 審判団の旗に間違いが認められた場合の、指摘・是正
  5. その他、監査役が必要と認めたとき
第39条
主審は、場内に在って試合の進行及び勝負の判定を司る。
第40条
副主審は、主審を補佐する。主審と副主審は正対して選手を観察し、正確かつ公平な判断を下すよう互いの死角を補う。
第41条
副審は、主審・副主審の死角で起こる技の有効性・違反行為・場外などの事柄に対して責任を負う。
第42条
各審判員は、公正な条件の下で選手を競わせるとともに、その安全を確保する義務を負う。
第43条
審判団は試合の優劣について判定を行い、その判定についての全責任を負う。
第44条
主審は、試合開始を「始め」、中断と場外を「待て」、再開を「続行」、終了を「止め」と宣告、指示する。
第45条
主審は、試合者に以下の行為があった場合は、「待て」の宣告により試合を一時中断し、適切な処置を講ずる。

  1. 試合者の一方、もしくは双方が場外に出たとき。
  2. 試合者が禁止事項を犯そうとし、または犯したとき。
  3. 試合者が負傷したり、発病したとき。
  4. 試合者の服装を整えさせるとき。
  5. その他、審判員が必要と認めたとき。
第46条
主審、副主審、および副審は、「効果」「有効」「技あり」「一本」の技があったと認めた場合、または違反行為があったと認めた場合、または「場外」等、試合を中断すべきと認めた場合、および試合の勝敗が「判定」となった場合は、審判動作基準に拠り、それぞれの動作を示さなければならない。

第六章 セコンド

第47条
試合者は、1名もしくは2名のセコンドを指名し、試合に帯同させなければならない。
第48条
セコンドとは、試合の際に出場選手に付き添い、試合中に指示を出し、インターバルの時に選手に作戦を授ける役割を持つ者を指す。
第49条
セコンドは、選手が「有効」2もしくは「技有り」1による4ポイントを奪われながらも試合続行の意志表示をした場合、続行か否かを選手のダメージを考慮して判断する責務がある。
第50条
セコンドは、一試合前に選手待機場所で相手選手のバンテージチェックを行う責務がある。
第51条
セコンドは、試合時に主審が選手の「治療許可証」の提示を求めた場合に、それを提示する責務がある。
第52条
セコンドは、試合(延長戦を含む)開始前に顔面プロテクターの装着を補助することができる。
第53条
セコンドは、試合時に指定された衣服を着用し、セコンド席に着座しなければならない。

第54条
セコンドの試合中の声援は節度あるものでなければならず、立ち上がっての声援、試合場を叩く、判定への不服や審判への批判、相手選手や審判団への暴言等、礼節を欠いた行為をしてはならない。
第55条
セコンドは、インターバル中の選手を幇助する行為をしてはならない。

注1)
選手の幇助とは、怪我の治療、マッサージ、水分や栄養の補給である。
注2)
大会主催者から提供される飲料の補給は、この限りではない。
第56条
セコンドの違反行為は、選手の違反行為と見なす。

第七章 大会ドクター

第57条
試合場毎に、1名以上の大会ドクターを置く。
第58条
試合者が頭部もしくは背部(脊柱)に強烈な衝撃を受けたとき、または主審が重大な負傷が起こったと判断したとき、主審は大会ドクターを呼ぶ。いずれの場合においても、大会ドクターはできるだけ短時間に試合者の診察を行い、主審に試合が続行できるか否かを告げる。
第59条
出血があった場合、安全面の見地から、主審は大会ドクターを呼ぶ。出血している間は試合を行うことはできない。
第60条
大会ドクターを呼ぶ権限は、主審の他にも、監査役および副主審がもつ。

第八章 試合

第61条
勝敗は次の1.~3.があり、審判5名の内3名以上が認めた時に成立する。

  1. 一本勝ち(技有り・有効・効果・相手の反則の合算で8ポイント先取した時を含む)
  2. 判定勝ち 
    1. 「技有り」を4ポイント、「有効」を2ポイント、「効果」を1ポイント、「反則1」は相手へ1ポイント、「反則2」は相手へ2ポイントとした、総ポイント数の差による優勢勝ち
    2. 内容での優勢勝ち
  3. 相手の失格、又は棄権による勝ち
注1)
反則によるポイントを含めた総ポイント数の多い方が勝ちとなる。
注2)
総ポイント数が同じ場合は、上位の判定(「技有り」>「有効」>「効果」)があった方が勝ちとなる。上位の判定を「ビッグポイント」と呼ぶ。
第62条
「一本」の判定は次の各号によって行なう。「一本」は8ポイントとする。

  1. 4秒以上ダウンした場合。
  2. ダウンはしないが、6秒以上の戦意喪失があった場合。
  3. ダウンとか戦意喪失はしないが、6秒以上、上段(顔面)を主体とした効果的な加撃が一方的に行なわれた場合。
  4. ダウンや戦意喪失はしないが、主審が「技有り」をコールまたは旗3本の支持があった後ダウンもしくは背を向け場外へ逃亡した場合。
  5. 絞め技、関節技が決まり、極められた者が「参った」の発声か、手で相手または自分の体、又は畳を2度以上たたいて合図した場合、もしくは意識を失った場合。
  6. 技有り・有効・効果・相手の反則の合算で8ポイント先取した場合。
注1)
「ダウン」とは、加撃によるダメージもしくは自らの攻撃による事故・怪我で一瞬でも足裏以外の体の一部(手、肘、膝、臀部等)を畳(マット)に着いた状態を指す。
注2)
戦意喪失とは、選手が攻撃、防御の意志を明示しない状況を指す。
注3)
打撃とは、頭突き、突き(パンチ)・掌底・肘・バックハンドなどの手技を意味する。
注4)
加撃とは、打撃、及び全ての蹴りを意味する。
注5)
攻撃とは、加撃に加え、投げ、寝技に入ることや、絞め技や関節技などの全てを意味する。
第63条
「技有り」の判定は、次の各号によって行なう。「技有り」は4ポイントとする。

  1. 2秒以上4秒未満のダウンがあった場合。
  2. ダウンはしないが、4秒以上6秒未満の戦意喪失があった場合。
  3. ダウンとか戦意喪失はしないが、4秒以上6秒未満、上段(顔面)を主体とした効果的な加撃が一方的に行なわれた場合。
  4. ダウンや戦意喪失はしないが、主審が「有効」をコールまたは旗3本の支持があった後ダウンもしくは背を向け場外へ逃亡した場合。
第64条
「有効」の判定は、次の各号によって行なう。「有効」は2ポイントとする。

  1. 2秒未満のダウンがあった場合。(程度により「効果」もあリ得る)
  2. ダウンはしないが、2秒以上4秒未満の戦意喪失があった場合。
  3. ダウンとか戦意喪失はしないが、2秒以上4秒未満、上段(顔面)を主体とした効果的な加撃が一方的に行なわれた場合。(程度により「効果」もあリ得る)
  4. ダウンや戦意喪失はしないが、主審が「効果」をコールまたは旗3本の支持があった後ダウンもしくは背を向け場外へ逃亡した場合。
第65条
「効果」の判定は、次の各号によって行なう。「効果」は1ポイントとする。

  1. 「上段」への加撃による効果
    • ダウンはしないが頭部が大きく振れたり腰が落ちる
    • 態勢が大きく崩れる
    • 防具がなければ確実に効果的と判断される(カウンターパンチ、肘打ちなど)
  2. 「中段」や「下段」への加撃による効果
    ダウンはしないが腹部を押さえる、「下段」への攻撃により足を引きずるなど、明らかにダメージがあると認められる場合。 
  3. 「投げ」による効果
    畳がなければ大きなダメージを与える攻撃になったと思われる「強くて鮮やかな投げ」があった場合。「鮮やか」とは、相手に体勢を崩されることなく、中腰で直ちに「極め」の動作を行える状態を言う。
  4. 「極め」による効果(「極め」の動作については第67条を参照) 
    下記の状況から、立っていた場合はそのまま、投げた側も倒れた場合は素早く立ちあがり、「極め」の動作があった場合。

    • 「投げ」等で相手を転倒させる
    • タックルを切る
    • 相手がうつ伏せになり亀の姿勢を取る
    • 故意、アクシデントを問わず、相手が転倒する
    • 金的への加撃が認められる場合で、金的への加撃により相手が膝をつくなどする
  5. 「寝技」での効果
    所謂、「馬乗り」もしくは膝で相手の動きを制し、上もしくは横からの充分に威力があると思える「突き」、「肘打ち」が、無防備な状態の「上段」に寸止めで4連打(各一呼吸程度以内の間隔)以上された場合。 

    注1)
    「馬乗り」状態とは、倒れている人間(仰向き・横向き・俯せに関わらず)の上体に、脚を絡まれることなく、馬乗りになった状態を言う。
    注2)
    これによる「効果」は、30秒の「寝技」の時間の中で1回までとする。
  6. タックルに対する加撃とその判定については、第69条を参照。
  7. 「効果」「有効」「技有り」「一本」を表にすると以下のようになる。
「効果」 
(1ポイント)  
「有効」
(2ポイント)
「技有り」
(4ポイント)
「一本」
(8ポイント)
相手の攻撃、もしくは自らの攻撃による事故・怪我でダウンした場合 2秒未満のダウン
(ダメージの程度により「効果」又は,「有効」)
2秒以上4秒未満のダウン 4秒以上のダウン
相手の攻撃、もしくは自らの攻撃による事故・怪我でダウンしないがダメージがある場合 上段への攻撃で頭部が大きく振れる、腰が落ちる、態勢が大きく崩れる。
中段の攻撃で屈む、腹部を押さえる。
下段の攻撃で足を引きずる等。
2秒以上4秒未満の戦意喪失か上段中心の一方的攻撃
(ダメージの程度によっては「効果」)
4秒以上6秒未満の戦意喪失か上段中心の一方的攻撃 6秒以上の戦意喪失か上段中心の一方的攻撃
第72条注4項
強くて鮮やかな「投げ」 「極め」がない」場合「効果」1。
「極め」があった場合「効果」2
相手が転倒、もしくは投げてからの「極め」 「効果」1
寝技・マウントパンチ 第65条5項 第62条5項
1回目の違反行為で「警告」、ポイントへの影響はなし 2回目の違反行為で「反則1」となり、相手に1ポイント 3回目の違反行為で「反則2」となり、相手に2ポイント 4回目は「反則3」で「失格」となる。
注1)
「加撃」による「効果」、「有効」、「技有り」、「一本」 を時間で表わすと以下のようになる。
6
秒以上
ダウンした場合 「効果」もしくは「有効」  「技有り」  「一本」
ダウンしない場合 「効果」 「効果」もしくは「有効」 「技有り」 「一本」
連続攻撃中にダウン、
もしくは背を向けて場外へ逃れた場合
第64条 4項 第63条 4項 第62条 4項
注2)
選手は副審により「効果」や「有効」の笛が吹かれた場合でも、主審が「待て」と言うまで攻撃は止めない。(攻撃を続行すれば「有効」「技有り」「一本」 の可能性がある)
注3)
「突き」や「蹴り」はスピードのある技術であり、一旦その動作に入っていると主審の「待て」や「止め」の指示があっても、止められない場合がある。従って、選手は主審の指示があってもすぐに防御を止めない。もし「待て」や「止め」の指示後の「故意」ではない攻撃によりダメージを受けた場合は判定の材料となる。
第66条
立ち技においては10秒間の掴みが認められる。 

  1. 掴みとは、道着の襟、袖、裾や腕、脚などを握る、掌で抑える、引っ掛ける等の状態で、相手の行為を制したり、バランスを崩そうとする行為を指す。
  2. 首相撲も掴みと同等の行為とする。
  3. それらは組み技と総称され、組み技の状態とは片方もしくは双方が相手の身体もしくは道着を掴んだ状態を指す。
  4. 身体指数差20未満であれば、組み技状態での、禁止部位以外への加撃が認められる(禁止される行為については第74条2項を参照)。 
  5. 掴みなどで服装が乱れた場合は、主審の指示に従い選手は短時間(10秒が目安)で自ら服装を正さねばならない。
第67条
「極め」の動作とは、転倒した者の上半身に対して、攻撃者が中腰から打撃を当てることができる適切な距離で、正拳突き、肘打ち、もしくは蹴りを2回以上、相手に当てることなく出した場合を意味する。

  1. 転倒とは、故意、アクシデントを問わず、足裏以外の体の一部(手、肘、膝、臀部等)が畳(マット)に着いた状態を指す。
  2. 「(畳がなければ大きなダメージを与える攻撃になっていたと思われる)強い投げ」により一方が倒れており、その姿勢に対して「極め」の動作があった場合は、「投げ」+「極め」で「効果」2とする。
  3. 転倒した者が下から反撃し「極め」の動作を2回以上させない場合は、「効果」にはならない。
  4. 投げられた者が下から反撃する事で立っている者にダメージを与えたなら、程度により 判定の材料となる。
  5. 一般的な投げや巻き込み、タックル等で攻撃者も倒れた場合は素早く立ち上がって、また足払いの場合はそのまま中腰の姿勢を取り「極め」の動作をしなくては「効果」にはならない。
  6. これによる「効果」は、一連の動作の中で1回までとする。
第68条
絞め技、関節技は、寝技の攻防においてのみ認められる。

  1. 寝技とは、少なくともどちらか一方が足裏以外の体の一部(手、肘、膝、臀部等)を畳(マット)に着いた状態を指す。
  2. 肘関節、肩関節、膝関節、足関節(足首~アキレス腱)への関節技が認められる(禁止される行為については第74条5項を参照)。
  3. 頸動脈、気管を圧迫する絞め技が認められる(禁止される行為については第74条5項を参照)。
  4. 寝技の攻防(絞め技、関節技及び「馬乗りや、膝で相手の動きを制した状態」からの「寸止め」の突き)は「本戦」及び、「延長戦」、「再延長戦」もしくは「再試合」の3分間において各々2回、各30秒間のみ認められる。
  5. 女子部の寝技の攻防は、「本戦」「延長」もしくは「再延長」の2分間において各々1回、各30秒間のみ認められる。
  6. 寝技の攻防においては突き、蹴りの攻撃が認められる(禁止される行為については第74条1項および2項を参照)。
第69条
寝技に移行するためのタックルが認められる。

  1. タックルは「攻撃」と見なされる。
  2. タックルに対しては、初撃に限り蹴りによる加撃が認められる。また打撃が認められ、これらによってホールドした両手を離し床についたり、ホールドの状態も含め全体的に脱力感が認められた場合、ダウンしたものと見做す(禁止行為については74条2項を参照)。
  3. 一方の選手が足裏以外の体の一部を畳(マット)につく態勢を取って、立位の相手を掴みつつ攻撃する場合は、立位の選手には(後手からの)打撃が認められる(禁止行為については74条2項を参照)。この時間は寝技の時間として計時する。
第70条
失格・棄権は次の各号による。

  1. 選手の一方が第74条に示す禁止行為(遅延行為を含む)により「失格」となった場合、残る一方の「不戦勝(「技有り」相当=4ポイント)」とする。
  2. 選手がアクシデントにより試合の途中で棄権をした場合、対戦者に与えられるポイントはそれまでの取得ポイントと4ポイント(「技有り」相当)のうち、より大きな方の数字のポイントとする。
  3. 事前に審判長へ棄権の申し出があった場合は、残る一方の「不戦勝(「技有り」相当=4ポイント)」とする。
  4. 試合の勝者がその後の試合を棄権する場合、その選手および審判長が認めたならば、敗者を次の試合に出場させることができる。この場合は、対戦相手にポイント1が与えられる。

第九章 判定法

第71条
試合者の一方がその対戦者に対して、そのダメージが審判にもはっきり分かる程度の効果的な技を加えた場合は、それぞれ程度により「効果」「有効」「技有り」「一本」と宣告される。
第72条
判定基準は以下の表による。

本 戦 延長戦
※A

(階級別)
クラス準決勝戦まで
——–
(無差別)1回戦
 から   
ベスト8
以前まで

  1. 一方に2ポイント以上のポイント数があり、かつポイントに差がある場合は、ポイントが多い者の勝ち。
  2. 両者に2ポイント以上のポイント数があり、かつポイント数が同じ場合は、ビッグポイントがある者の勝ち。
    ※「技有り」>「有効」>「効果」の順で上位(ビッグ)と見なす。「技有り」による4ポイントは、「有効」や「効果に」よる4ポイントに勝る。同様に「有効」による2ポイントは、「効果」による2ポイントに勝る。
  3. それでも差がない場合は、「反則」の少ない者の勝ち。
  4. 内容に拘らずポイントが1のみの場合は、決定的な材料にはせず、「判定」となり、「引き分け延長戦」もありうる。(ただしポイントが多い者が負ける事はない)
休息
30秒
  1. 「本戦」と「延長戦」を通しポイントが多い者の勝ち(1対0でも可)。
  2. ポイント数が同じ場合は、ビッグポイントのある者の勝ち。
  3. それでも差がない場合はこの延長戦でポイントが多い者の勝ち。 
  4. それでも差のない場合は「本戦」と「延長戦」を通じ「反則」の少ない者の勝ち。
  5. それでも差がない場合は、「本戦」から「延長戦」を通じ「警告」を受けた者の負け。
  6. それでも差がない場合は、旗判定。
    ⓐ第73条の規定による「加撃」、「投げ」、「寝技」の順で効果的な攻撃の多い者の勝ち。
    ⓑそれでも差がない場合は、「延長戦」の後半に主導権を取った(優勢に試合を進めた)者の勝ち。必ず勝敗の「判定」をだす。「再延長戦」はない。
※B

(階級別)
決勝戦のみ
——–
(無差別)
ベスト8以上
決勝戦まで 

  1. 一方に2ポイント以上のポイント数があり、かつポイントに差がある場合は、ポイントが多い者の勝ち。
  2. 両者に2ポイント以上のポイント数があり、かつポイント数が同じ場合は、ビッグポイントがある者の勝ち。
    ※ビッグポイントについては、Aで記述のとおり。
  3. それでも差がない場合は、「反則」の少ない者の勝ち。
  4. 上記以外では必ず「延長戦」。
同30秒
  1. 「本戦」と「延長戦」を通し一方に2ポイント以上のポイント数があり、かつポイントに差がある場合は、ポイントが多い者の勝ち。
  2. 「本戦」と「延長戦」を通し両者に2ポイント以上のポイント数があり、かつポイント数が同じ場合は、ビッグポイントがある者の勝ち。
  3. それでも差がない場合は、「本戦」と「延長戦」を通じ「反則」の少ない者の勝ち。
  4. 内容に拘らずポイントが1のみの場合は、決定的な材料にはせず、「判定」となり、「引き分け再延長戦」もありうる。(ただしポイントが多い者が負ける事はない)
再延長戦 (30秒の休息の後)
  1. 「本戦」と「延長戦」,「再延長戦」を通しポイント数が多い者の勝ち。
  2. ポイント数が同じ場合は、ビッグポイントのある者の勝ち。
  3. それでも差がない場合は、この「再延長戦」でポイント数が多い者の勝ち。
  4. それでも差のない場合は、「本戦」から「再延長戦」迄に「反則」の少ない者の勝ち。
  5. それでも差がない場合は、「本戦」から「再延長戦」迄に「警告」を受けた者の負け。
  6. それでも差のない場合は旗判定。
    ⓐ第73条の規定による「加撃」、「投げ」、「寝技」の順で効果的な攻撃の多い者の勝ち。
    ⓑそれでも差がない場合は、「再延長戦」の後半に主導権を取った(優勢に試合を進めた)者の勝ち。必ず勝敗の「判定」をだす。「再々延長戦」はない。

           

注1)
「加撃」とは、第62条の注4)のとおり。
注2)
主審は、選手が「有効」2もしくは「技有り」1による4ポイントを奪われながらも試合続行の意志表示をした場合でも、選手の安全性を確保するために試合を一旦止め、その選手のセコンドにその旨を告げ、続行か否かを確認しなければならない。従って選手には必ず、1名以上の監督者(セコンド)がつかなくてはならない。
注4)
選手が注2)に更にポイントが加算され、5ポイント以上を奪われながらも続行の意志表示をした場合、それ以上の続行は無理だと主審が判断したなら、主審のみの判断により、「試合続行不可能」としてその時点で試合を止め「技有り優勢勝ち(ポイント数は取得ポイント)」と出来る。
注4)
アクシデントによる怪我やダメージについては以下の通りとする。

  • 選手が試合継続の意志を見せない場合、その時間に応じて「有効」→「技有り」→「一本」とする。時間基準は、第65条7項と同じ。
  • 出血があった場合は主審は試合を中断し、医師を呼び治療開始時点からの計時を指示する。治療に要する時間は「遅延行為」とみなす(第74条7項を参照)。
第73条
第71条に規定したようなポイントや違反行為に差がなかった場合、「優勢」の判定は次の各号の順位によって行なう。

  1. 上段(顔面)を中心とした突き、蹴りが単発でも連続でも的確に多く入っていて、防具がなければ効果的な攻撃となったとみなされる場合。
  2. 1項の規定で互角の場合、投げ、足払い、タックル等の決まった回数の多い方が有利となる。
  3. 2項の規定でも互角の場合、寝技の攻防で積極的に攻撃した方が有利となる。
注)
この条項は試合終了後の「判定!」の際に主審、副審の旗の判定動作で明示される。
試合中に優勢の判定動作はない。                            

第十章 禁止行為

第74条
下記の行為は違反行為であり、初めは「警告」、以降は「反則」となる。

注1)
初めは、「警告」を宣告される。
2回目は「反則1」(相手に1ポイント)、3回目は「反則2」(相手に2ポイント)を宣告される。
4回目の「反則3」(相手に4ポイント)を宣告された選手は「失格」となる。
注2)
「反則勝ち」の場合、3位と4位、及び5位〜8位決定時、得点は4ポイントで計算する。
注3)
違反行為が故意もしくはダメージが大きい場合は「警告」なしで、初めから「反則1」(=相手に1ポイント)となる場合もある。
注4)
違反行為が特に悪質、または違反行為によるダメージが特に大きい場合、審判長及び副審判長が違反行為の程度を判断し、違反行為を犯した選手に「反則2」(相手に2ポイント)もしくは「反則3」(相手に4ポイント)が宣告される場合があり、「反則3」を宣告された選手は「失格」負けとなる。
注5)
違反行為によってダメージを負い、即時試合を続行するのは不可能だが、時間を空ければ再開可能と選手およびセコンドに確認の上で主審が判断した場合は、2試合後に試合を再開できる。
注6)
ドクターが確認し、違反行為によるダメージが大きく2試合を空けても試合続行不能と判断された場合、反則を犯した選手を「失格」負けとする。ただし、違反となった行為が明らかに故意ではなく、違反行為を犯した選手が十分に反省していると審判長および審判団が判断した場合に限り、特例として「失格」負けとなった選手が次の試合に出場できる。この場合は、対戦相手にポイント2が与えられる。
注7)
打撃、加撃、攻撃の意味については、第62条の注3)~注5)のとおり。
  1. 攻撃の禁止行為
    • 有効相当以上のダウンをした相手への更なる攻撃
    • 立ち技、寝技を問わず、脊椎へのあらゆる攻撃
      注1)
      頸椎を強く曲げる、捻る等の、頚椎に大きなストレスをかける攻撃は、特に悪質な違反行為と見做す。
      注2)
      フロントチョークは、頸椎への攻撃と見なされない場合のみ許される。
  2. 加撃の禁止行為
    • 後頭部への加撃
    • 頭頂部への加撃
    • 喉への加撃
    • 腎臓への加撃
    • 関節蹴りによる、膝関節への前方や側方からの加撃
      注)
      ただし、後方からの、膝関節の曲がる方向への加撃は認められる。
    • 立ち技における、体力指数差が20未満の場合の金的への加撃、指数差20以上30未満の場合の打撃による金的攻撃
      注1)
      寝技における金的攻撃は体力指数差に関係なく認められない。
      注2)
      体力指数差が20以上の場合は蹴りによる金的への加撃が認められる。体力指数差が30以上の場合は蹴りに加えて拳もしくは掌底による金的への加撃も認められる。但し、金的以外の部位への連続的な加撃の中で、繋ぎの技として使用することを認めるものであり、金的のみの連続的加撃や、決め技として使用することは認められない。金的への加撃によって相手が膝をつくなどした場合は、その後直ちに「極め」の動作をすることにより、「効果」となる。
    • 身体指数差20以上での組み技における打撃
      注)
      身体指数差が20以上ある場合は、掴んでの打撃は禁止。掴んでの蹴りは許される。
    • 身体指数差30以上での組み技における加撃
      注)
      身体指数差が30以上ある場合は、掴んでの打撃に加えて、蹴りも禁止。
    • 双方が足裏以外の部位を畳(マット)についた状態の寝技において、上に位置する(相手の頭部より垂直方向上位に自分の頭部を位置させている)者の、頭部、顔面への加撃
      注)
      寝技において関節技・絞め技が極まりかけの状態となった時の、極められかけている選手の違反行為(上に位置する者からの頭部への加撃など)は、特に悪質な違反行為と見做す
    • 双方が足裏以外の部位を畳(マット)についた状態の寝技において、上に位置する(相手の頭部より垂直方向上位に自分の頭部を位置させている)者の、相手の胴部、膝関節への、地面に対して平行方向以外からの加撃
    • 寝技において、相手選手の身体が床と拳足に挟まれうる方向への頭部、顔面、胴部、膝関節への加撃
      注)
      お互いにアキレス腱固めをしている時の顔面や腹部への踵落とし、一方の立位の状態での上の者からの頭部や顔面への垂直な打撃など
    • タックルに来た相手に対しては、初撃に限り蹴りでの加撃が認められるが、それ以上の蹴りでの加撃は禁止
    • 寝技の攻防で先に立ち上がった選手による、タックルや下から技を掛けようとした相手に対しての蹴りでの加撃。ただし、後手での打撃は可。この時間は、寝技の継続とみなして計時を継続する
    • 一方のみが立ち上がっている場合、タックルなどの攻撃の意志を見せない相手への加撃
      注)
      相手が転倒した場合は第65条4項に従い、「極め」の動作のみが許される
  3. 掴みの禁止行為
    • 「投げ」や「タックル」や「打撃」の為に、先手後手を問わず連続した10秒間を超える掴み
    • 装備(顔面プロテクター、フィストガード、ファウルカップ)、髪、喉、性器を掴む行為
      注)
      但し(「膝蹴り」などの為に)顔面プロテクターを抱える事は認められる。
  4. 投げ技の禁止行為
    • 故意・過失を問わず、投げて頭部や頚椎に大きなダメージ(すぐに立ち上がれない状況を生じるなど)を与える行為
      注1)
      相手が投げられまいと堪えて自ら頭部・顔面から着地したと判断される場合であっても、投げた側の違反行為とする。
      注2)
      投げられまいと堪えたりしがみついたことでダメージを生じたと判断される場合は、ダメージを受けた側も違反行為とする。
    • ダメージを与えなくても、相手の頭頂部や後頭部から先に畳(マット)に着地させ、投げた後も相手の背中が畳(マット)に着かないような投げ技
      注1)
      バックドロップなど、頭部や頸椎に大きなダメージを与え得る危険な投げは、特に悪質な違反行為とみなす。
      注2)
      身体の回転の勢いによって胴体部分が順次着地していく場合は可とする。
    • ダメージを与えなくても、相手の頭部や顔面から先に畳(マット)に叩きつけるような投げ技(一本背負いや肩車で引手や膝の屈曲角度をコントロールして相手を頭や顔面から着地させる行為など)
      注1)
      立位から(フロントチョークのような状態で)頭頂部がマットに落ちるように勢いよく寝技に引き込んだり、絞めたまま自分の後方に投げるような、頭部や頸椎に大きなダメージを与え得る危険な行為は、特に悪質な違反行為とみなす。
      注2)
      相手が投げられまいと堪えて自ら頭部・顔面から着地したと判断される場合は、違反行為としない。
      注3)
      身体の回転の勢いによって胴体部分が順次着地していく場合は可とする。
    • 前屈した状態で、自身の頭が畳(マット)に先につくような動作で技を掛ける行為
    • 故意・過失を問わず、全体重を浴びせて投げ、腹部もしくは胸部に大きなダメージ(すぐに立ち上がれない状況を生じるなど)を与える行為
      注1)
      投げられまいと相手がしがみついたと判断される場合であっても、体重を浴びせて投げることは違反行為とする。
      注2)
      投げられまいとしがみつくことでダメージを生じたと判断される場合は、ダメージを受けた側も違反行為とする。
    • ダメージを与えなくても、体重を浴びせたり、無理に巻き込む(軸足のバネを利かすことなく、体を利用して倒れ込むように巻き込むなどする)行為
      注)
      相手が投げられまいと堪えた結果巻き込んだ形となったと判断される場合は、違反行為としない。
    • 膝関節や足首に重傷を負う恐れがある蟹挟み
  5. 絞め技、関節技の禁止行為
    • 自分や相手の帯、或いは直接手指、手掌で施す、気管、頸動脈への絞め技
    • 肘関節、肩関節、膝関節、足関節(足首~アキレス腱)以外の部位への関節技
      注)
      例えば指の関節を極める行為は禁止。
    • 膝関節を伸展する以外の方向に極める行為
    • 相手の踵の部分を回したり、相手のつま先を掴んで、膝関節、足首を極める行為
      注)
      いわゆるヒールホールド、アンクルホールドなど。
    • 立った状態で絞め技や関節技を「極める」こと
      注)
      引き込みや飛びつきで寝技に持ち込んだ後に「極める」ことは可とする。
    • 立位から体重を浴びせて極める関節技
  6. 戦意にかかわる禁止行為
    • 故意に背中を向け続けたり、30秒以上攻撃をしない等、試合に積極性が見られない場合
    • 立ち技、寝技を問わず、相手の攻撃から場外逃避したと見做される場合
  7. 遅延行為
    • 正当な理由なく主審とのやりとり等で試合を中断する、わざと帯を解く、装備や道着を着崩す、或いはマウスピースを吐き出す、着衣の乱れを正すのに10秒以上掛けるなど、スタミナ、ダメージを回復させる時間を得たと見做されるあらゆる遅延行為
    • 対戦者が呼出し後試合場に現れない場合は遅延行為と見做され、即「警告」。以降30秒経過後に「反則1」、40秒経過後に「反則2」となり、50秒経過で「失格」となる。
    • 試合中の出血等による治療で試合が中断される場合
      • 「治療時間」が2分経過時点で、「警告」
      • 2分10秒「反則1」(相手に1ポイント)
      • 2分20秒経過時点で「反則2」(相手に2ポイント)
      • 2分30秒経過時点で、「反則3」として「失格」を宣言される
        注)
        治療開始(ドクターが選手に触れた)時点から試合再開(マスクの装着終了まで)を「治療時間」として計時する。
  8. 服装、装備の禁止行為
    • 服装、装備行為の要件を満たさないあらゆる行為
      注1)
      ファウルカップ、及び指定の空道着、ゼッケン、マウスピース、フィストガード、帯止めを適切に着用または装着していない場合、複数の物の不着用で反則が累積される事はないが、これらの原因により試合開始に遅延を生じた場合は、遅延行為と見做され74条7項の「対戦者が呼出し後試合場に現れない場合」が適用される。
      注2)
      大会主催者の指示のとおりにゼッケンを固定していないことが原因となって試合中にゼッケンが外れたと見なされる場合は、違反行為とする。
    • 大会メディカルスタッフが認めていないテーピングの使用、サポーターの着用
      注)
      これらの原因により試合開始に遅延を生じた場合は、遅延行為と見做され74条7項の「対戦者が呼出し後試合場に現れない場合」が適用される。
    • 指定外のバンデージの使用、及び指定のバンデージであっても水等で濡らして使用したり、過度にテーピングで固めていたり、パット等の異物を挿入している等した場合
      注)
      これらの原因により試合開始に遅延を生じた場合は、遅延行為と見做され74条7項の「対戦者が呼出し後試合場に現れない場合」が適用される。
    • 顔面プロテクター後部の上下2箇所をヒモで固定していない場合
      注1)
      この原因により試合再開に遅延を生じた場合は、遅延行為と見做され74条7項の「対戦者が呼出し後試合場に現れない場合」が適用される。
      注2)
      上下2箇所をヒモで固定してあっても、試合中に繰り返しプロテクターが外れた場合は、固定が不十分であることが原因とみなし、2回目で「警告」、3回目で「反則1」などとする。ただし、対戦者がプロテクターを掴んだことによって外れたと判断される場合は、この限りではない。
  9. セコンドの禁止行為

    • 試合中1名もしくは2名のセコンドが、指定された場所に着席していない場合
      注1)
      この原因により試合開始に遅延を生じた場合は、遅延行為と見做され74条7項の「対戦者が呼出し後試合場に現れない場合」が適用される。
      注2)
      セコンドの違反行為は、選手の違反行為としてカウントされる。 
    • 試合時に主審が選手の「治療許可証」の提示を求めた時に、セコンドが提示できない場合
      注)
      この原因により試合開始、再開に遅延を生じた場合は、遅延行為と見做され73条7項の「対戦者が呼出し後試合場に現れない場合」が適用される。
    • セコンドが、席を離れて試合場を叩いたり、審判や選手を貶めるような発言をしたり、罵声を上げるなど、審判員が礼節を欠くと判断する行為
  10. その他の禁止行為
    • 顔面プロテクターの口にあたる部分を、呼吸を妨げるようにふさぐ行為
    • 爪で引っ掻く、もしくは皮膚を掴む、つまむ、ひねる行為
    • 相手の身体の開口部に指を入れる行為
    • 審判員の指示に従わない、もしくは審判員、対戦者等への暴言や侮辱的行為
    • 審判員の判定や判断に対する、選手やセコンドによる不満表示やアピール
    • 上記のほか、審判員が特に悪質もしくは品位(マナー)を欠くと見做した、選手の技、言動、行為
    • 計量時に身体指数が申告数値より
      • 1未満高い場合は「警告」。
      • 1以上2未満高い場合は「反則1」(相手に1ポイント)
      • 2以上3未満高い場合は「反則2」(相手に2ポイント)
      • 3以上高い場合は、「反則3」として「失格」 
第75条
過去に例のない想定外の戦法・技術が使われた場合、又、成文化されていない戦法の可否については、危険度・武道精神・スポーツマンシップの面から考えて問題がないか、1.大会総委員長、2.審議委員長、3.審判長、4.監査役、5.主審の計5人の内の3人以上で審議され判定が下される。又、後日その判断に関し、上記及び審判団で協議され、その結果を試合規約として成文化する。

第十一章 その他

第76条
選手ならびにセコンドは、KIFアンチ・ドーピングコードを遵守すること。
以上