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大会レポート朝岡秀樹

レポート 260+

加藤久輝は初戦から左ハイキック一発で一本勝ち。続く試合でも、掴んでの左縦ヒジ、頭突きと空道ならではの多彩な攻撃をみせるが、利き腕・利き足の左一辺倒。右でリードを取れるようになることが、今後の課題か。対照的に、キーナン・マイクは、左右・上中下段をまんべんなく打ち分けられる点が強み。その代わりに、一発ごとの鋭さでは、加藤に大きく劣る。長所・短所がまったく逆の両者の決勝は、2010年、2012年に続き、今年も加藤の勝利。それぞれが、互いの短所を補ったうえで相まみえることを期待したい。

決勝戦。サウスポーの加藤久輝を、キーナンは右ミドルで攻める

決勝戦。サウスポーの加藤久輝を、キーナンは右ミドルで攻める

菅原智範(左)vsキーナン。マスク内の顔を歪ませるキーナンの右クロス

菅原智範(左)vsキーナン。マスク内の顔を歪ませるキーナンの右クロス

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レポート -260

稲田卓也は佐々木嗣治に、加藤和徳は渡部秀一に一本負け。佐々木を下した笹沢一有と、渡部を下した平塚洋二郎が決勝を争った。−250クラスでは猛威をふるった笹沢の投げ→キメも−260クラスでは影を潜め、逆に平塚の払い腰が決まる。平塚が9分間(再延長)に渡る激戦を制し、08年春季以来、5年振りの優勝を決めた。

決勝、笹沢がジャブでリズムを刻む

決勝、笹沢がジャブでリズムを刻む

平塚のジャブに右クロスを合わせる笹沢

平塚のジャブに右クロスを合わせる笹沢

笹沢からテイクダウンを奪う平塚

笹沢からテイクダウンを奪う平塚

平塚vs山田壮。平塚がマウントを奪い、さらに腕を制し、パンチのアクション

平塚vs山田壮。平塚がマウントを奪い、さらに腕を制し、パンチのアクション

加藤和徳(上)に襟絞めを極める渡部。いつ、どうやって入ったのか、どこを極めたのか、観衆の多くがまったく理解出来ないほど、見事な仕掛けだった

加藤和徳(上)に襟絞めを極める渡部。
いつ、どうやって入ったのか、どこを極めたのか、観衆の多くがまったく理解出来ないほど、見事な仕掛けだった

佐々木vs平田誠一。柔道6段の平田がカニ挟みで得意の寝技に引き込む。佐々木は1年半前の全日本無差別でのヒザ靭帯損傷からの復帰戦だっただけに、観ているだけでヒヤッとさせられた場面

佐々木vs平田誠一。柔道6段の平田がカニ挟みで得意の寝技に引き込む。
佐々木は1年半前の全日本無差別でのヒザ靭帯損傷からの復帰戦だっただけに、観ているだけでヒヤッとさせられた場面

佐々木vs笹沢。両者譲らぬ延長戦の末、僅差判定で笹沢が勝利を収めた

佐々木vs笹沢。両者譲らぬ延長戦の末、僅差判定で笹沢が勝利を収めた

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レポート -250

アレクセイ・コノネンコは初戦で、アップライトスタイルからの蹴り技の切れる20歳の新鋭・伊藤新太をローに合わせたタックル→マウントパンチ→変則腕絡み(サンボの技?)で45秒ほどで仕留める。2試合目も秒殺一本勝ち。準決勝こそ、−240クラスの元王者・我妻猛と接戦を演じたものの、決勝では、魚津礼一から右ストレートでダウン(有効1)と効果2つを奪い、97年に同級を制して以来、無差別を含めて通算11回目の全日本優勝(無差別1回と−250クラス10回)。併せて、もっとも一本勝ちなどの累計ポイントの多かった選手に贈られる最優秀勝利者賞も獲得。深紅の北斗旗を授与された。

決勝戦。後方から魚津の膝裏を掬い、テイクダウンとともにサイドを取るコノネンコ

決勝戦。後方から魚津の膝裏を掬い、テイクダウンとともにサイドを取るコノネンコ

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レポート -240

44歳の飯村健一が接戦の末、延長判定で堀越亮祐を退けた。首相撲を積んでいるためか体幹のスタビリティーが強く、前方への投げ(首投げ、背負い、払い腰など)をことごとく切ってみせた飯村。このような打撃とフィジカルに秀でるタイプに対しては、組んだ状態では後方への刈り技との連絡で攻めるなど、よりテクニカルに闘い、打撃においてはよりラフに、力と手数で押すべきだったのではないか。
この階級は、ムエタイスタイルの今村基宏vs柔道技の冴える巻礼史、パンチの切れる服部篤人vs堀越亮祐、ディフェンディングチャンピオン・内田淳一vs藤田隆、ハードパンチャー・榎並博幸vs飯村健一…と、1〜2回戦からハイレベルな激戦が続いた。

飯村vs榎並。左の蹴りの波状攻撃のなか、ハイキックをヒットさせる飯村

飯村vs榎並。左の蹴りの波状攻撃のなか、ハイキックをヒットさせる飯村

藤田(右)vs高谷敏晶。藤田の上段ヒザ

藤田(右)vs高谷敏晶。藤田の上段ヒザ

準決勝。堀越vs内田。堀越の掌底が、一瞬速く、内田を捕える

準決勝。堀越vs内田。堀越の掌底が、一瞬速く、内田を捕える

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レポート -230

20歳の目黒雄太から50歳の渡辺慎二まで、20代5名、30代10名、40歳以上5名が、世代闘争を繰り広げたこの階級。
前半ブロックからは、2007年の同級王者である末廣智明が、往年のガッツファイター長谷川朋彦、46歳にして発展途上の草薙一司ら、投げ技・寝技のスペシャリストをシャットアウトして決勝進出。
後半ブロックでは、2010年のファイナリスト・近田充が川上大樹との接戦に散り、その川上を目黒雄太が撃破。昨年度覇者・宮地孟が右ストレートによる効果1を奪われ谷井翔太に敗れ、谷井を準決勝で退けた目黒が決勝に駒を進めた。
決勝では、目黒の払腰を大外刈りで切り返し、左フックのカウンターと、右ストレートでそれぞれ効果を奪った末廣が勝利を収めたが、パンチのハンドスピードや、蹴り足をキャッチされたときのバランスの良さなど、目黒のポテンシャルの高さは一目瞭然。本人は「まだ世界に出られる自信はない」と言うが、若いだけに、これから1年半の急成長を期待したい。

決勝。目黒(右)の左ミドルをヒザブロックする末廣。ミドルをヒザでカットするシーンがみられるのは、総合武道である空道においては稀なことだ

決勝。目黒(右)の左ミドルをヒザブロックする末廣。
ミドルをヒザでカットするシーンがみられるのは、総合武道である空道においては稀なことだ

川上に首投げ(腰車)を決める目黒。柔道の有段者でもあり、腰の強さにも目を瞠るものがある

川上に首投げ(腰車)を決める目黒。柔道の有段者でもあり、腰の強さにも目を瞠るものがある

長谷川vs末廣。谷落としからバックを奪うなど、長谷川も、ベテランらしい巧さをみせた

長谷川vs末廣。谷落としからバックを奪うなど、長谷川も、ベテランらしい巧さをみせた

中村要四郎を豪快に投げ捨てる草薙

中村要四郎を豪快に投げ捨てる草薙

谷井(左)は、目黒との準決勝、接戦に散る

谷井(左)は、目黒との準決勝、接戦に散る

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レポート 女子

バランスを崩すことなく左右へのフットワークを取り、ヒット&ランを決めるテクニシャン、前原(右)。新鋭の庄子にハイキックで効果を先取されるも、落ち着いて投げ→キメによる効果を取り返し、逆転勝利を収めた

バランスを崩すことなく左右へのフットワークを取り、ヒット&ランを決めるテクニシャン、前原(右)。
新鋭の庄子にハイキックで効果を先取されるも、落ち着いて投げ→キメによる効果を取り返し、逆転勝利を収めた

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更新日 2013.6.7