国際空道連盟 ドーピング防止規則(参考和訳)

国際空道連盟 ドーピング防止規則(参考和訳)

国際空道連盟

(KIF)

ドーピング防止規則(参考訳)

注:Kudo International Federation Anti-Doping Rules(原文・英文)の参照日本語訳です。正確な内容については英文版原文をご参照下さい。11jan2021KIFADrules-final.pdf (ku-do.com)

目次

 

序論

 

序文

 

2013年●月●日、●東京都豊島区池袋2-3-5にて開催されたNPO法人国際空道連盟(「KIF」)社員総会において、KIF は改正後(2009 年)世界ドーピング防止規程(「WADA規程」)を受諾した。本KIFドーピング防止規則(以下「本規則」という。)は、KIFがWADA規程に基づく自らの責務を遂行し、空道においてドーピングを根絶する継続的な努力を行うために制定されるものである。

本規則は、本競技会での規則同様、スポーツを行う上での条件を規定したものである。本規則をスポーツの参加条件として承諾した本競技者その他の者(「本競技者等」)は、本規則に拘束される。本規則は、世界的に統一された方法でドーピング防止原則を促進することを目的とするもので、スポーツ界独自の規則及び手続であり、刑事手続や雇用事項に関する国内の規制や法的基準の対象となり制約されるものではない。各事件につき事実及び法的関係を検討する法廷、仲裁裁判所、審判機関は、WADA規程が定めるドーピング防止規則の独自性及びこれらの規則がスポーツとは公正であるべきものと考える世界中の幅広い関係者の総意を表するものであることを認識し、尊重すべきである。

WADA規程及びKIFーピング防止規則の基本原理

KIFはスポーツ固有の価値を保護するため、ドーピング防止を根絶する努力を行っている。スポーツ固有の価値とは「スポーツ精神」と呼ばれるもので、オリンピック精神の真髄である。スポーツ精神は、人間の魂、身体及び心を祝福するものであり、次に掲げる価値によって特徴づけられる。

  • 倫理観、フェアプレーと誠意
  • 健康
  • 優れた競技能力
  • 人格と教育
  • 楽しみと喜び
  • チームワーク
  • 献身と真摯な取組
  • 規則・法律を尊重する姿勢
  • 自分自身と他の参加者を尊重する姿勢
  • 勇気
  • 共同体意識と連帯意識

ドーピングは、スポーツ精神に根本的に反するものである。

本規則は、KIF及びKIFに加盟する各本国内競技連盟並びにそれらの会員資格や認定に基づきKIF及び本国内競技連盟の活動や本行事に参加する本参加者全てに対して適用される。

KIFの行事へ参加するためには、競技者はその者の所属する本国内競技連盟に署名済付属書2を提出した上で当該連盟の認可を受けなければならない。付属書2の内容及び形式についてはKIF幹部の事前の承認を得るものとする。なお、申請者が未成年である場合には法的な保護者が付属書2に連署しなければならない。

認可を与えた本国内競技連盟は、当該本競技者にWADA規定及び本規則を含むKIFの規則を順守させなくてはならない。

各本国内競技連盟は、所属する競技者に対する検査がWADA規定及び本規則に従って行われることを確保する責任を負う。国により、本国内競技連盟自体が、本規則に記述された本ドーピングコントロールを運営する場合もあれば、本国内ドーピング防止機関の規則や本国内競技連盟との合意により、本国内競技連盟の多くの本ドーピングコントロール責任が委託、移譲されている場合もある。後者の場合には、本規則内の本国内競技連盟を必要に応じて、本国内ドーピング防止機関と読み替えて適用する。

KIF及び加盟する本国内競技連盟は、管轄するすべての本ドーピングコントロールに際し本規則を適用するものとする。

1  ドーピングの定義

 

ドーピングとは、本規則の第2.1 項から第2.8 項規定の一又は二以上のドーピング防止規則違反をいう。

2   ドーピング防止規則違反

 

本競技者等は、ドーピング防止規則違反の構成要件、本禁止表に掲げられた物質及び方法を知る責任を負う。

次に掲げるものはドーピング防止規則違反を構成する。

2.1 競技者の本検体に、本禁止物質又はその本代謝物若しくは本マーカーが存在すること

 

2.1.1 本禁止物質が体内に入らないようにすることは、各本競技者が自ら取り組まなければならない責務である。自己の本検体に本禁止物質又はその本代謝物若しくは本マーカーが存在した場合、本競技者がその責任を負う。従って本第2.1 項に基づくドーピング防止規則違反が認められるために、本競技者側の使用についての意図、過誤、過失又は故意を証明する必要はない。

2.1.2 本競技者のA本検体に本禁止物質又はその本代謝物若しくは本マーカーが存在した場合であって、①当該本競技者がB本検体の分析を放棄しB本検体の分析が行われない場合又は②競技者のB 本検体が分析され、その結果がA本検体についての結果と同様であった場合、上記第2.1項に基づくドーピング防止規則違反の十分な証拠となる。

2.1.3 本禁止表に報告の最低数値が明記されている物質を除き、本競技者の本検体に本禁止物質又はその本代謝物若しくは本マーカーの存在が検出された場合、その量の多少にかかわらず、ドーピング防止規則違反が成立する。

2.1.4 本第2.1 項の例外として、内因的にも生成されうる本禁止物質については特別の基準を本禁止表又は本国際基準において定めることができる。

2.2 競技者が本禁止物質を使用し若しくは本禁止方法を実施すること又はそれらの本企てを行うこと

 

2.2.1 各本競技者は、本禁止物質が自らの体内に入らないようすることにつき自ら責任を負う。従って、ドーピング防止規則違反が認められるために、本禁止物質の使用又は本禁止方法の実施について本競技者の意図、過失、過誤又は故意を証明する必要はない。

2.2.2 本禁止物質の使用、本禁止方法の実施又はそれらの本企てが成功したか否かに拘わらず、当該使用、実施又は企て自体によりドーピング防止規則違反が成立する。

2.3 ドーピング防止規則において認められた通告に対して、正当化事由なく本検体の採取を拒否すること、実施しないこと又はその他の手段で回避すること

2.4 検査に関する本国際基準に準拠した規則に基づく居場所情報要求についての未提出や本検査の未了等本競技会外の検査を受けるために自らについて要求される要件に違反したこと。なお本検査未了又は居場所情報未提出については、その回数が本競技者を所轄する本ドーピング防止機関により決定される18 ヶ月以内の期間内で3度に及んだ場合にドーピング防止規則違反を構成する。

2.5 本ドーピングコントロールの一部に本不当な改変を施すこと又は本不当な改変の本企てを行うこと

2.6 本禁止物質又は本禁止方法の本保有をすること

 

2.6.1本競技大会内の本競技者が本禁止物質若しくは本禁止方法を本保有すること又は本競技大会外の本競技者が本競技会外において禁止される本禁止物質若しくは本禁止方法を本保有すること。ただし、当該本保有が第4.4 項(治療目的使用)の規定に従って付与されたTUEその他正当な理由に基づくものであることを本競技者が証明した場合は、この限りではない。

2.6.2 本競技者、本競技会、又はトレーニングに関係して、上記を本競技者支援要員が本保有すること。ただし、当該本保有が第4.4 項(治療目的使用)の規定に従って本競技者に付与されたTUE又はその他の正当な理由に基づくものであることを本競技者支援要員が証明した場合は、この限りではない。

2.7 本禁止物質又は本禁止方法についての本不正取引又はその本企て

 

2.8 本競技会内の本競技者に対する本禁止方法の実施若しくは本禁止物質の投与又はその本企て、本競技会外の本競技者に対する競技大会外で禁止されている本禁止方法の実施又は本禁止物質の投与又はその本企てを行うこと。ドーピング防止規則違反又は当該違反の本企てへの支援、奨励、援助、教唆、隠蔽その他の共同行為を行うこと。

 

3   ドーピングの証明

 

3.1 挙証責任及び証明の程度

 

ドーピング防止規則違反が発生したことの証明責任は、KIF及び本国内競技連盟が負うものとする。証明の程度は、聴聞パネルが違反の重大性を考慮した上で十分に満足できる程度とする。当該証明の程度は、単なる証拠の優越以上である必要があるが、合理的な疑いを超える程度である必要はない。本競技者その他違反を主張されている人が、推定事項に反論し又は本規則によって特定の事実の証明挙証責任を負っている場合の証明の程度は、より高度の挙証責任が課されている第10.4 項及び第10.6 項の場合を除き、証拠の優越とする。

3.2 事実及び推定事項の証明方法

 

ドーピング防止規則違反に関する事実は、自白を含む信頼性のおける手段により証明される。ドーピング事件においては、次の証明原則が適用される。

3.2.1 WADA認定の分析機関は、分析機関に関する本国際基準に基づいて本検体の分析及び管理の手続を実施しているものと推定される。本競技者等は、本国際基準違反により本違反結果報告が合理的に生じたと証明することで上記推定に反論することができる。この場合KIF又は本国内競技連盟は、当該違反が本違反結果報告の原因ではないことを証明する責任を負う。

3.2.2 上記以外の本国際基準違反その他のドーピング防止規則の違反があっても、本違反結果報告その他のドーピング防止規定違反の原因となるものではない場合には検査結果は無効とならない。当該本国際基準違反その他のドーピング防止規則違反により本違反結果報告又はドーピング防止規則違反が生じたことを本競技者等が証明した場合、KIF又はその本国内競技連盟は、当該違反が本違反結果報告又はドーピング防止規則違反の原因ではないことを証明する責任を負う。

3.2.3 管轄裁判所又は専門的な裁決機関により決定された事実は、不服申立ての対象となっていない限り、本競技者等が当該決定が自然的正義の原則に反するものであることを証明する場合を除き反証不能な証拠となる。

3.2.4 本競技者等に対し、聴聞までの合理的な期間を与えた上、(直接又は聴聞パネルの指示に基づき電話により)聴聞に出頭し、聴聞パネル又はドーピング防止規則違反を主張する本国内ドーピング防止機関からの質問に対して回答することを要請したにもかかわらず、本競技者等がこれを拒絶した場合には、聴聞パネルは、その事実を根拠として、本競技者等に対して不利益な推定を行うことができる。

4   本禁止表

 

4.1 本禁止表の適用

 

本規則は、WADA規程の4.1に従い、WADA が発表し改訂する本禁止表を採用するものとする。KIFは、現行の本禁止表を各本国内競技連盟が利用できるようにし、各本国内競技連盟は現行の本禁止表をその会員及び構成員が利用できるようにしなければならない。

4.2 本禁止表記載の本禁止物質及び本禁止方法

 

4.2.1 本禁止物質及び本禁止方法

 

本禁止表及びその改正版で別段の記載がない限り、本禁止表及びその改正版の内容は、WADAによる本禁止表の発行後3ヶ月をもってKIF及びその本国内競技連盟の特段の行為を経ずに、ドーピング防止規則として効力を有するものとする。KIFは、WADAに対して、WADA規程第4.2.1に従い、空道のために本禁止表の追記を要求することができる。またKIFは、空道における不正利用の危険性がある追加的物質又は方法をWADA規程第4 条5項のモニター・プログラムに含めるようWADAに要求することができる。KIF からの要求があった場合、WADAは当該要求について最終決定を行う。

4.2.2 本特定物質

第 10 条(個人に対する制裁措置)の適用については(a)蛋白同化薬及びホルモンの各分類、(b)本禁止表に明示された興奮薬、ホルモン拮抗薬及び調節薬を除く本禁止物質は全て「本特定物質」とする。本禁止方法は本特定物質とはされない。

 

4.3 本禁止表に物質及び方法を追加する基準

 

WADA規程第4.3.3項に規定される通り、本禁止表の本禁止物質及び本禁止方法、本禁止表における物質の分類は最終的なものであり、当該物質又は方法が隠蔽剤ではなかった又は競技成績向上、健康リスクへの脅威、スポーツ精神に対する脅威の可能性がないことを理由として、本競技者その他の人がこれを争うことができない。

4.4 治療目的使用

 

4.4.1 本禁止物質又は本禁止方法の使用を要する旨の診断書を有する本競技者は、TUEを取得しなければならない。TUEに関する本国際基準に基づき発行されたTUE規定に従った本禁止物質若しくはその本代謝物又は本マーカーの存在(第2条2項)、本禁止物質若しくは本禁止方法の本使用又はその本企て(第2条2項)、本禁止物質又は本禁止方法の本保有(第2条6項)、本禁止物質の投与若しくは本禁止方法の実施又はその本企て(第2条8項)は、ドーピング防止規則違反とはみなされない。

4.4.2  KIFの本検査対象者登録リストに記載された本競技者及びKIFが指定する本国際競技大会に参加する本競技者は、KIFからTUEを得るか又はKIFの承認を得なければならない。TUEの申請は、可能な限り早く(本検査対象者登録リスト記載の本競技者の場合、リストに記載されたことを初めて通知された時)、遅くとも本競技者が本競技大会に参加する30日前まで(緊急時を除く)に行わねばならない。KIFは当該TUEの付与をADAMS によって、本競技者の本国内競技連盟及びWADA に迅速に報告する。

4.4.3  KIFの本検査対象者登録リストに記載されておらずKIFが指定する本国際競技大会に参加するのでもない本競技者は、本国内ドーピング防止機関又は本国内競技連盟の規定に従い、本国内ドーピング防止機関又は本国内競技連盟の指定する組織からTUEを得なければならない。TUEの申請は、可能な限り早く(本検査対象者登録リスト記載の本競技者の場合、リストに記載されたことを初めて通知された時)、遅くとも本競技者が本競技大会に参加する30日前までに(緊急時を除く)、行わねばならない。本国内競技連盟は当該TUEの取得をADAMS によって、KIF 及びWADA に迅速に報告する。

4.4.4  KIFは、治療目的使用に係る除外措置に関する本国際基準に基づきTUEの申請の適否を検討する委員会(「TUE 委員会」)を設ける。TUE 委員会構成員は、治療目的使用に係る除外措置に関する本国際基準に基づいて申請内容を速やかに評価し、決定を下す。当該決定はKIFの最終判断となる。

4.4.5 WADAは本国際的水準競技者、国際競技連盟の規則に従いTUEが必要とされている国際的本競技大会に参加する本競技者又は本国内ドーピング防止機関若しくは本国内競技連盟の本検査対象者登録リストに記載されている国内レベルの本競技者に対するTUEの付与につきいつでも自発的に検討すること、またTUE が承認されなかった本競技者について当該不承認の可否について当該本競技者の要求に応じて検討することができる。TUEの付与又は不承認が治療目的使用に係る除外措置に関する本国際基準に適合しないと判断した場合、WADAはその決定を覆すことができる。TUEに対する決定は、第13条の不服申立の対象となる。

5  検査

 

5.1 検査権限

本国内競技連盟の管轄下にある本競技者は、参加する本競技会又は本競技大会において検査権限を有するKIF、その所属本国内競技連盟又はその他の本ドーピング防止機関が実施する検査の対象となる。本国内競技連盟の管轄下にある本競技者は、本資格停止中又は本暫定的資格停止中であっても、予告の有無、時刻、場所を問わず、KIF、WADA、その所属する本国内競技連盟、競技者が滞在している国、競技者が国籍を有している国、居住している国、ライセンスを所持している国若しくはスポーツ団体のメンバーである国の本国内ドーピング防止機関、オリンピックに関係する時はIOC、パラリンピックに関係する時はIPC、又は競技者が参加する本競技会若しくは本競技大会で検査に責任を負う他の本ドーピング防止機関による本競技会内又は本競技会外での検査の対象となる。

本競技者は全て検査権限を有する本ドーピング防止機関による検査要請に応じなければならない。

5.2 検査の配分計画

KIF及び本国内競技連盟は、同じ本競技者に対して検査を実施している他の本ドーピング防止機関と協力し、検査に関する本国際基準に準拠して以下を行うものとする。

5.2.1 KIF及び本国内競技連盟は管轄する本競技者に対して効果的な回数の本競技会内及び本競技会外の検査の計画・実施を行う。検査は本検査対象者登録リストに記載されている競技者を対象とするが、これに限るものではない。

5.2.2 特別な事情がある場合を除いて、本競技会外検査はすべて事前通知をせずに行う。

5.2.3 本特定対象検査を優先させる。

5.2.4 本資格停止又は本暫定的資格停止の期間中である本競技者への検査を行う。

5.3 検査基準

KIF及び各本国内競技連盟が実施する検査は、検査時点で有効な検査に関する本国際基準に実質的に適合した方法で行う。

5.3.1 血液(又はその他尿以外)の本検体は、スクリーニング手続又は長期血液学的プロファイリング(「パスポート」)で、本禁止物質又は本禁止方法を検出するのに使用することができる。

5.4 検査協力

5.4.1 本競技大会での検査主体

本ドーピングコントロール検体の採取は、本国際競技大会及び本国内競技大会双方で実施するものとする。但し、以下に規定されている場合を除き、本競技大会期間中に検査を開始し管理する責任を担うのは一つの組織である。本国際競技大会では、本ドーピングコントロール本検体の採取は、本競技大会を管理する国際的組織(オリンピックであれば国際オリンピック委員会、世界選手権であればKIF、パンアメリカ大会であればパンアメリカスポーツ機構)が行う。本国内競技大会では、本ドーピングコントロール本検体の採取は、当該国の指定された本国内ドーピング防止機関又は本国内競技連盟が行う。

5.4.1.1 KIF又は本国内競技連盟が、本競技大会期間中に管理責任を負わない当該本競技大会において追加の検査を実施したい場合、KIF又は本国内競技連盟は本競技大会の決定機関と協議し、追加検査を行うの許可を得る。当該回答に不満がある場合には、KIF又は本国内競技連盟は、WADAに追加検査の許可及びその方法の決定を求めることができる。

5.4.2 本競技会外の検査主体

本競技会外の検査は国際機関及び国内機関双方により行われる。本競技会外の検査は、(a)WADA、(b)オリンピックでは国際オリンピック委員会、パラリンピックでは国際パラリンピック委員会、(c)KIF又は競技者の本国内競技連盟、(d)その他第5 条1項規定の本競技者に対する検査権限がある本ドーピング防止機関(検査当局)が行う。本競技会外の検査は、複数の主体による検査を効果的に行い各本競技者に対する不必要な検査を繰り返すことを避けるためADAMSを通じて調整されるものとする。

 

5.4.3 報告

KIF 及び本国内競技連盟は、不必要な検査の重複を回避するために第14.5項に従って、WADA広報機関を通じて実施した検査を速やかに報告する。

5.5競技者居場所情報要件

 

5.5.1  KIFは、検査に関する本国際基準の居場所情報要件に従うべき本競技者を記載した本検査対象者登録リストを確認し、該当期間中における本検査対象者登録リスト記載基準及び基準を満たす本競技者のリストを公開しなければならない。KIFは、本検査対象者登録リストに登録される競技者の基準を、必要に応じて検討、更新し、当該基準に基づいて適宜本検査対象者登録リスも改定しなければならない。本検査対象者登録リストに記載された各競技者は、(a)検査に関する本国際基準第11条3項が定める方式で3 ヶ月に1度自己の居場所をKIFに通知し、(b)情報の正確性維持のため検査に関する本国際基準第11条4項2に基づき居場所情報を更新し、(c)検査に関する本国際基準第11条4項に基づき、その居場所において検査に応じなければならない。

5.5.2 本競技者が自己の居場所をKIFに通知しない場合は、検査に関する本国際基準第11条3項5の要件が満たされている場合、第2条4項の居場所情報未提出とみなされる。

5.5.3 本競技者が自己の居場所として報告した居場所において本検査を受けなかった場合、検査に関する本国際基準第11条4項3の要件が満たされている場合、第2条4項の本検査不参加とみなされる。

5.5.4 各本国内競技連盟は本国内ドーピング防止機関の本検査に関する国際基準における居場所情報要件が適用されるべき国内最高レベルの本競技者のための国内水準本検査対象者登録リストの作成を援助する。本競技者がKIFの本検査対象者登録リストにも記載されている場合は、KIFと本国内ドーピング防止機関は、本競技者から受領した居場所情報を第5条5項5に基づいて他方当事者と本ドーピング防止機関共有するかについて(要請ある場合はWADAの支援を受けて)合意して定める。

5.5.5 第5.5.1項及び第5.5.4項の規定に従って提供された居場所情報は、本検査に関する本国際基準第11条7 項1(d)及び第11 条7 項3(d)(当該情報を本ドーピングコントロール目的にのみ用いるべきという厳格な要件等)に従って本競技者を検査する権限を有するWADAをはじめとする本ドーピング防止機関と共有される。

5.6 本競技会からの引退及び本競技会への復帰

 

5.6.1 KIFの本検査対象者登録リストに記載された本競技者は、その中には、本競技者が引退を文書でKIFに通知した場合又は本検査対象者登録リストに記載される条件を満たさなくなり、かつその旨をKIFから通知された場合を除き、本検査対象者登録リストの居場所情報要件に従う義務等のドーピング防止規則の適用を受け続ける。

5.6.2 KIFに引退を通知した本競技者は、遅くとも本競技会復帰を求める6ヶ月前にKIFに通知し、復帰まで間、(要請があれば)本検査に関する本国際基準の居場所情報要件に従い、抜き打ちの本競技会外検査の対象とならない限り、本競技会に復帰することはできない。

5.6.3 本国内競技連盟及び本国内ドーピング防止機関は、国内の本検査対象者登録リストについて同様の引退及び復帰に関する規則を定めることができる。

 

5.7 検査対象競技者の選定

5.7.1    本国際競技大会において、KIFは行うべきレベル別検査、無作為検査及び本特定対象検査の数を決定する。

以下の本競技者は本国際競技大会での各本競技会で本検査の対象となる。

5.7.1.1 本競技会のすべての種目上位3位内に入った本競技者及び無作為に選出されたその他1名の本競技者

 

5.7.1.2 世界記録を樹立し又は更新した本競技者

5.7.2 本国内競技大会において、各本国内競技連盟は各本競技会で検査対象となる本競技者の人数、及びその選定方法を決定する。

5.7.3 5.7.1項及び5.7.2項規定の選定手続に加え、国際大会ではKIF、国内大会では本国内競技連盟は、正当な本ドーピングコントロール以外の目的でない限り、本特定対象検査の対象とすべき本競技者又はチームを選定することができる。

5.7.4 本競技者は、有効な検査に関する本国際基準に実質的に従った手続を通じ、KIF及び本国内競技連盟により本競技外検査の対象とされる。

5.8 本国内競技連盟、本国内競技連盟による本競技大会の組織委員会、KIF及びKIFによる本競技大会の組織委員会は、本独立オブザーバー・プログラムに準拠し、本競技大会の独立オブザーバーに対して本競技大会へのアクセス権を付与する。

5.9 KIF又は本国内競技連盟の正式会員でない本競技者は、本検体採取に応じ、必要な場合には競技参加日の少なくとも1ヶ月前にKIF又は本国内競技連盟による本検査対象者登録リスト記載のため正確かつ最新の居場所情報を提供しない限り競技に参加することはできない。

6  本検体の分析

本ドーピング防止規則に基づき採取された本ドーピングコントロール検体は、以下の通り分析する。

6.1 認定分析機関の利用

 

KIF又は本国内競技連盟は、第2.1項「本禁止物質、その本代謝物又は本マーカーの存在」についての分析のため本ドーピングコントロール検体をWADA 認定分析機関又はWADA によって承認されたその他の分析機関に送るものとする。本検体分析のため利用するWADA 認定分析機関(又はWADA が承認するその他の分析機若しくは他の手段)の選択は、KIF又は本国内競技連盟のみが決定できるものとする。

6.2 本検体の採取及び分析の目的

本検体の分析は、本禁止表において特定されている本禁止物質及び本禁止方法の検出、WADA規定第4.5 項規定の監視プログラムに従ったWADA指定のその他の物質の検出、又はKIF又はその本国内競技連盟が、本競技者の尿、血液、その他の基質に含まれる関連パラメータについて、ドーピング防止を目的としてDNA検査及びゲノム解析等の検査をすることを助けるために行われるものとする。

6.3 本検体の研究

本競技者から書面による同意を得ない限り、第6.2 項に記載された目的以外に本検体を使用することはできない。(競技者の同意を得て)第6.2項に記載された目的以外の目的で使用すした本検体については、競技者を特定できないよう個人を特定しうる情報を削除するものとする。

6.4 本検体分析及び報告の基準

分析機関は、分析機関に関する本国際基準に従い本ドーピングコントロール用の本検体を分析し、その結果を報告しなければならない。

6.5 本検体の再検査

本検体は、第6.2 項の目的のためKIF又はWADAが指示した場合のみ再検査することができる。本検体の再検査は、分析機関に関する本国際基準に従った状況及び条件て行うものとする。

 

7  結果管理

7.1 KIFによる検査の結果管理

KIF実施の検査(KIFとの合意に基づくWADA実施の検査を含む)の結果管理は以下の方法で行う。

7.1.1 分析の結果は全て、コード化された形式で、分析機関の正式代表の署名を付した上でKIFに送付される。全ての連絡はWADAが開発したデータベース管理ソフトであるADAMSにより秘密を保持して行う。なおADAMSは、WADAその他の機関に適用されるデータ保護に関する法規に従うものである。

7.1.2 A本検体に関して本違反結果報告を受領した場合、KIFは当該結果を検討し(a)適用のあるTUE が付与されている又はTUEに関する本国際基準によればTUEが付与されるべきか、(b)検査に関する本国際基準及び分析機関に関する本国際基準の明らかな違反により本違反結果報告が生じたのかを決定する。

7.1.2.1 KIFの幹部は、ドーピング防止に関する経験を有する議長及びその他2人以上の委員からなるDoping Review Panelを設置する。各委員は任期4年とする。各事案において議長は、7.1.2及び7.1.8規定のレビュー及びその他KIFに求められた潜在的なドーピング防止規定違反の検討を行うために、1人以上の委員(議長を含む)を選任する。

7.1.3 第 7.1.2項に基づき本違反結果報告に関する検討を行った結果、TUE取得済であること、TUEに関する本国際基準によるとTUEが適用されうること又は本違反結果報告の原因が基準違反によることが確認できなかった場合、KIFは19条に定められた方法により、本競技者に対して(a)本違反結果報告、(b)違反が問われたドーピング防止規則の内容(c)本競技者は速やかにB本検体の分析を行うよう請求ができること及び請求をしなかった場合、B本検体の分析を請求する権利を放棄したとみなされること(d)本競技者又はKIFがB本検体の分析を請求する場合にはB本検体の分析が行われる日時及び場所(e)B本検体の分析の請求があった場合、本競技者又は本競技者の代理人は、分析機関に関する本国際基準規定の期間に行われる当該B本検体の開封と分析に立会う機会を有すること、並びに(f)本競技者は、分析機関に関する本国際基準により要求される情報等を含むA本検体及びB本検体の分析機関関連書類一式の写しを要求する権利を有することを速やかに通知する。KIFは、本競技者の本国内ドーピング防止機関及びWADAに対しても通知を行う。KIFが、本違反結果報告をドーピング防止規則違反として扱わないことを決定した場合、KIFは当該本競技者、その本国内ドーピング防止機関及びWADAにその旨の通知を行う。

7.1.4 本競技者又はKIFが請求した場合、本分析機関に関する国際基準で定める時間内にB本検体検査の手配を行うものとする。本競技者は、B本検体分析を請求する権利要件を放棄し、A本検体結果を受諾することもできる。その場合でも、KIFはB本検体分析を行うことを選ぶことができる。

7.1.5 分析機関に関する本国際基準が定める期間内においては、本競技者及びその代理人はB本検体分析に立ち会うことができる。また、KIFの代表及び本競技者の本国内競技連盟代表も当該分析に立ち会うことができる。

7.1.6 B本検体が陰性と判明した場合、(KIFが第2条2項により事件をドーピング防止規則違反として取りあげない限り)検査全体が陰性とみなされ、本競技者、その本国内競技連盟、及びKIFにその旨の通知を行う。

7.1.7 本禁止物質又は本禁止方法の使用が確認された場合、本競技者、その本国内競技連盟、KIF及びWADAにその旨の通知を行う。

7.1.8 KIFは、第7.1.1項~第7.1.8項8により対象とされていないドーピング防止規則違反についても追加で調査を行う。ドーピング防止規定の違反を確認した場合、KIFは第19条規定の方法で、本競技者又はその他の通知を受けるべき人に、ドーピング防止規則違反及び違反の根拠に関する制裁通知を速やかに送付し、本競技者の本国内ドーピング防止機関及びWADAにも通知を行う。

7.2   本非定型報告の検討

7.2.1 本国際基準に従い、内因的にも生成され得る本禁止物質が検出された場合、分析機関は要追加調査との報告しなければならない。

7.2.2  A本検体の本非定型報告を受け取った場合、KIFは(a)TUE が付与されているか、(b)本非定型報告が検査に関する本国際基準又は分析機関に関する本国際基準違反によるものであるかを検討する。

7.2.3  第7.2.2項の検討により、適正なTUEが付与されている又は又は本非定型報告が検査に関する本国際基準若しくは分析機関に関する本国際基準違反によるものであることが確認された場合は、検査全体が陰性と評価され、その旨本競技者、その本国内ドーピング防止機関本及びWADAに通知される。

7.2.4  検討の結果、上記が確認できない場合、KIFは、所要の調査を実施しなければならない。当該調査が完了した後、本競技者、WADA及び本競技者の本国内ドーピング防止機関は、本非定型報告が、本違反結果報告として扱われるかどうかについて通知を受ける。なお本競技者に対する通知は第7.1.3項に従い行うものとする。

7.2.5  KIFは、調査が完了し、かつ、本非定型報告を、本違反結果報告として扱うかどうかを決定するまでは本非定型報告に関する通知を行わない。但し下記場合を除く。

(a)KIFが調査の結果を出す前にB本検体の分析を実施すべきであると決定した場合、本競技者に対する通知を行った上でB検体本検体の分析を行うことができる。なお当該通知には本非定型報告の内容及び第7.1.3項(b)-(f)規定の情報を記載しなくてはならない。

(b) KIFは、本主要競技大会機関が本国際競技大会の直前にであるため又はスポーツ団体が本国際競技大会のチームメンバーの選定の締め切りが迫っているため、当該本主要競技大会機関又はスポーツ団体のリストに掲載された本競技者についてペンディングになっている本非定型報告があるか否かの開示を求めた場合、KIFは本競技者に対して本非定型報告に関する通知を行った後、当該本主要競技大会機関又はスポーツ団体に対して当該本競技者を特定するものとする。

7.3  他の本国際競技大会中に行った検査の結果管理

国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会又は本主要競技大会機関による検査の結果管理及び聴聞の実施は、その制裁が本競技大会の資格はく奪又は本競技会成績の失効である場合KIFが行う。

7.4  本国内競技連盟が行った検査の結果管理

本国内競技連盟が行う結果管理は、第7条の前提である効率的で公平な結果管理の一般原理に従い行うものとする。本国内競技連盟はその結果管理手続き完了前に、本違反結果報告、本非定型報告その他主張されるドーピング防止規則への違反を、上記原則に従い、本競技者の本国内ドーピング防止機関、KIF及びWADA に報告する。本国内競技連盟のメンバーである本競技者にドーピング防止規則違反の可能性がある場合、本国内競技連盟の規則、本国内ドーピング防止機関の規則その他国内法にもとづいて適切に設立された聴聞パネ会での聴聞の機会を与えなければならない。他の本国内競技連盟に所属する本競技者にドーピング防止規則違反の可能性がある場合にはKIFが聴聞の機会を与えるものとする。

7.5  居場所情報違反の結果管理

7.5.1  KIFの本検査対象者登録リストに掲げられた本競技者に明らかな本居場所情報未提出があった場合の結果管理は検査に関する本国際基準第11条6項2に基づいてKIFが行う(第5条5項4に基づいて、本国内競技連盟又は本国内ドーピング防止機関の責任で行うとの合意がある場合を除く)。

7.5.2  KIF又はKIFの代理者による検査について、KIFの本検査対象者登録リストに掲げられた本競技者に明らかな本検査不参加があった場合の結果管理は検査に関する本国際基準第11条6項3に基づいてKIFが行う。その他の本ドーピング防止機関又はその代理で行う者による検査について、明らかな本検査不参加があった場合の結果管理は検査に関する本国際基準第11条7項6(c)に基づいて当該他の本ドーピング防止機関が行う。

7.5.3  18 ヶ月間の間に、KIFの本検査対象者登録リストに掲げられた本競技者に本居場所情報未提出が3回生じた場合、本検査不参加が3回生じた場合又は両者合計で3回生じた場合、KIFは本規則その他の本ドーピング防止機関の規則に関するものかに拘わらず明白なドーピング防止規則違反と扱うものとする。

7.6   暫定的資格停止

7.6.1  A本検体の分析によって、本特定物質ではない本禁止物質の違反を疑われる分析結果が検出され、第7.1.2項の分析でTUEの付与又は又は本国際基準又は分析機関に関する本国際基準違反が確認されなかった場合、本規定第7.1項に記載されている検討及び通知を行った上、本競技者に速やかに本暫定的資格停止を命じるものとする。

7.6.2  第7.6.1の場合以外で、KIFが第7条の規定に基づいてドーピング防止規則違反として事件を進めることに決定した場合、第7.1項に記載されている検討及び通知後であれば、本競技者のB本検体の分析又は第8条「公正な聴聞の権利」規定の最終聴聞を行う前であっても、本暫定的資格停止を命じることができる。

7.6.3  第7.6.1項又は第7 .6.2項の本暫定的資格停止を課す場合には、本競技者等に次の機会を与えるものとする。(a)本暫定的資格停止を課される前又は課された後速やかに、本暫定的聴聞を行う機会、又は(b)本暫定的資格停止が課された後速やかに第8条「公正な聴聞の権利」により準拠した早期の聴聞を行う機会。本国内競技連盟は本第7.6項規定の原則に従って、本暫定的資格停止を課すものとする。

7.6.4  A本検体の本違反結果報告に基づき本暫定的資格停止が課され、その後のB本検体の分析(本競技者又は本ドーピング防止機関の要求がある場合に行われるものである)によりA本検体の分析結果と異なる結果が確認された場合、本競技者はWADA規程第2.1 項(本禁止物質又はその本代謝物若しくは本マーカーが存在すること)の違反を理由とした本暫定的資格停止の対象とはならないものとする。本競技者(又は該当するドーピング防止規則に規定された本競技者のチーム)が第2.1項の違反により本競技会の出場資格を失った後、B本検体でA本検体の分析結果と異なる結果が出た場合、その時点で当該本競技会にその他の影響を与えることなく当該競技者又はチームが当該本競技会に出場することが可能な場合には、当該競技者又はチームは、当該本競技会に出場することができるものとする。

7.7  競技からの引退

結果管理過程の進行中に本競技者等が引退する場合であっても、結果の管理を実施しているKIF又は本国内競技連盟は、当該結果管理過程を完了させることができる。本競技者等が結果管理過程の開始前に引退した場合でも、KIF又はその本国内競技連盟が本競技者等がドーピング防止規則に違反した時点において結果管理の管轄権を有する場合には、KIF又はその本国内競技連盟は結果管理を実施することができる。

第8条  公正な聴聞に参加する権利

8.1   KIFの結果管理に関する聴聞

8.1.1 第7条に従いKIFが結果管理過程を行った結果ドーピング防止規則違反が存在すると思われる場合、KIF Doping Hearing Panelに送られ裁定される。

8.1.2  本条の聴聞手続は、第7条で定める結果管理手続の終了後迅速に行わねばならない。本競技大会について開催される聴聞は、早期ベースで行うこともできる。第7.6項に従って本競技者に本暫定的資格停止が課されている場合には、競技者は早期ベースでの聴聞を請求することができる。

8.1.3  ドーピング防止規則に違反したと訴えられている本競技者等の所属する本国内競技連盟は、オブザーバーとして聴聞会に出席することができる。

8.1.4  KIFは、手続の状況及び結果についてWADAに適宜報告する。

8.1.5  本競技者等は、ドーピング防止規則違反を認め、KIFの主張する第9条及び第10 条に従った結果を受入れた上聴聞を省略することができ、また明示的な意思表示又はKIFによるドーピング防止規則違反の主張に対して2週間以内に反論しないことにより、聴聞の権利を放棄することができる。聴聞が行われない場合、KIFは第13.2.3項に従い対応についての理由を明示した決定を提出する。

8.1.6  KIF Doping Hearing Panelの決定については、第13条に従いスポーツ調停裁判所に不服申立を行うことができる。

8.2    本国内競技連盟の結果管理後の聴聞

 

8.2.1  第7条に準拠した本国内競技連盟による結果管理過程の結果、ドーピング防止規則違反の疑いがある場合、当該本競技者等は、本国内競技連盟又は本国内ドーピング防止機関の聴聞に関する規則に従い、本国内競技連盟又は本国内ドーピング防止機関の規律委員会に提訴され、聴聞を受けた上で規則違反の有無及び取るべき措置についての判断を受ける。

8.2.2  本第8.2項の聴聞は迅速に、遅くとも第7条で定める結果管理手続終了後3ヶ月以内に行わねばならない。本競技大会に関連して開催される聴聞会は早期ベースで行うことができる。第7.6項に従って本競技者に本暫定的資格停止が課されている場合には、本競技者は聴聞を早期ベースで行うことを請求することができる。聴聞が3ヶ月を超えて遅延している場合、KIFは、本国内競技連盟の責任及び費用で、KIF Doping Hearing Panelで直接その事例を判断することを選択することができる。

8.2.3  本国内競技連盟は、手続の状況及び結果を適宜KIF及びWADAに報告する。

8.2.4  KIF及びWADA には、オブザーバーとして聴聞会に出席する権利がある。

8.2.5  本競技者等は、ドーピング防止規則違反を認め、本国内競技連盟の主張に従った第9 条及び第10 条の結果を受入れることで聴聞を省略することができ、また明示的な意思表示又は本国内競技連盟によるドーピング防止規則違反の主張に対して7日間に争わないことにより聴聞の権利を放棄することができる。聴聞が行われない場合、本国内競技連盟は第13.2.3項に規定された当事者に対して対応の理由を明示した決定を提出する。

8.2.6  本国内競技連盟又は本国内ドーピング防止機関の決定については、聴聞があったか本競技者等が聴聞を行わないことを選択したかに拘わらず第13条の定めにより不服申立を行うことができる。

8.3    公正な聴聞の原則

 

第8.1項又は第8.2項規定の聴聞は次の原則を尊重して行われる。

  • 適時の聴聞
  • 公正かつ公平な聴聞パネル
  • 自費で弁護人を立てる権利
  • 主張されているドーピング防止規則違反の内容について公正かつ適時の通知を受ける権利
  • 主張されているドーピング防止規則違反及びその結果に関して意見を述べる権利
  • 各当事者の証人を召喚し尋問する権利を含めた証拠を提出する権利(電話による証言及び陳述書を認めるかは聴聞パネルの裁量による。)
  • 通訳を入れる権利(聴聞パネルが通訳者及び費用の負担者を決定する。)
  • 迅速な本資格停止期間の理由を含む書面による決定

9  個人の成績の自動的失効

本個人スポーツにおける本競技会検査でドーピング防止規則違反があった場合、当該本競技会において得られた個人の成績は自動的に本失効し、その結果当該本競技会において獲得されたメダル、得点及び賞の剥奪等の制裁が課される。

10  個人に対する制裁措置

 

10.1  ドーピング防止規則違反が発生した本競技大会における成績の本失効

 

本競技大会開催期間中又は本競技大会に関連してドーピング防止規則違反が発生した場合、当該本競技大会の開催機関の決定により、当該本競技大会において得られたすべての個人の成績は自動的に本失効し、当該本競技大会において獲得されたメダル、得点、及び賞の剥奪等の措置が課される。ただし、第10.1.1 項に定める場合は、この限りではない。

10.1.1  本競技者が当該違反に関して自己の本無過失を証明した場合、当該違反による影響がある場合を除き、ドーピング防止規則違反が発生した本競技会以外の本競技会における競技者の個人の成績は本失効しないものとする。

10.2  本禁止物質及び本禁止方法の存在、使用、使用の本企て又は本保有に関する本資格停止

第 2.1 項(本禁止物質又はその本代謝物若しくは本マーカーの存在)、第2.2 項(本禁止物質若しくは本禁止方法の使用又はその本企て)及び第2.6 項(本禁止物質及び本禁止方法の本保有)の違反に対して課される本資格停止期間は、次のとおりとする。ただし、第10.4 項及び第10.5 項規定の本資格停止期間の取消又は短縮及び第 10.6 項規定の本資格停止期間の延長の要件に該当する場合はこの限りではない。

1 回目の違反-2年間の本資格停止

 

10.3  その他のドーピング防止規則違反に関する本資格停止

第 10.2 項以外のドーピング防止規則違反に関する本資格停止期間は次のとおりとする。

10.3.1  第2.3 項(本検体採取の拒否又は回避)又は第2.5 項(本ドーピングコントロールの本不当な改変)違反の場合、本資格停止期間は2年間とする。ただし、第10.5 項又は第10.6 項に定める要件に該当する場合はこの限りではない。

10.3.2  第2.7 項(本不正取引又は本不正取引の本企て)又は第2.8 項(本禁止物質の投与若しくは本禁止方法の実施又はその本企て)違反の場合、本資格停止期間は、最低4年間、最長で永久とする。ただし、第10.5 項に定める要件に該当する場合はこの限りではない。本未成年者をに関するドーピング防止規則違反は、特に重大であり、第 4.2.2 項記載の本特定物質に関する違反以外の本競技者支援要員による当該違反については本競技者支援要員に対して永久本資格停止が課されるものとする。さらに、スポーツ関連法令以外の違反につながりうる重要な第2.7 項及び第2.8 項の違反については、関連当局、専門機関又は司法機関へ報告するものとする。

10.3.3  第2.4 項(居場所情報未提出又は検査未了)の違反の場合、本資格停止期間は、当該競技者の帰責の程度により最低1年間、最長2年間とする。

10.4   特別な事情の下での特定物質の利用に関する本資格停止期間の取消及び短縮

本競技者等が、自己の体内への本特定物質が入ったこと又は本保有をしていたことの経緯及びそれが本競技者の競技力の向上又は競技力向上物質の使用の隠蔽を目的としたものではないことを証明できる場合には、第10.2 項に定められている本資格停止期間ではなく次の規定を適用する。

1 回目の違反:譴責処分(今後の本競技大会での本資格停止期間はなし)以上、本資格停止期間2年間以下の措置

本資格停止期間の取消し又は短縮が認められるためには、本競技者等は、自己が証言するだけではなく、競技力を向上させる目的又は競技力向上物質の使用の隠蔽目的がないことについて聴聞パネルが満足する補強証拠を提出しなければならない。本資格停止期間の短縮を算定する場合、本競技者等の帰責性を考慮するものとする。

10.5 例外的事情を理由とする本資格停止期間の取消し又は短縮

10.5.1 無過失

個別事件において、本競技者が本無過失を証明した場合、本資格停止期間は取り消される。なお第2.1 項(本禁止物質の存在)に違反して競技者の本検体に本禁止物質若しくはその本マーカー又はその本代謝物が検出された場合、本資格停止期間の取消しをするには、本競技者は自己の体内に本禁止物質がいかに入ったかも証明しなければならない。本項により本資格停止期間が取り消された場合には、当該ドーピング防止規則違反は、第10.7項に定められている複数回の違反に対する本資格停止期間を判定する目的に限り、ドーピング防止規則違反とはみなされないものとする。

10.5.2 本無重過失

個別事件において、本競技者等が本無重過失を証明した場合、本資格停止期間を短縮することができる。ただし、適用すべき本資格停止期間の半分を下回ることはできず、適用すべき本資格停止期間が永久である場合には、本項に基づく短縮後の期間は、8 年間を下回ることはできない。なお第2.1 項(本禁止物質若しくはその本代謝物又は本マーカーの存在)に違反して競技者の本検体に本禁止物質若しくはその本代謝物又は本マーカーが検出された場合、本資格停止期間の短縮のためには、本競技者は自己の体内に本禁止物質がいかに入ったかも証明しなければならない。

10.5.3  ドーピング防止規則違反を発見又は証明するための実質的支援

本競技者等が、本ドーピング防止機関、司法当局又は専門的規律組織に本実質的支援を行うことにより、他の人のドーピング防止規則違反、犯罪若しくは職業的規則違反が発覚若しくは証明された場合、KIF又は本国内競技連盟は、第10 条による最終不服申立決定又は不服申立期限終了の前に、個別事件における本資格停止期間の一部を、対象となった本競技者等の請求に基づき又は自らの決定により猶予することができる。第13条による最終的な不服申立てに対する決定又は不服申立ての期間満了の後においては、本国内競技連盟の場合KIF、KIFの場合WADAの承認を得た場合にのみ、本資格停止期間を猶予することができる。本資格停止期間の猶予期間は、本競技者等によるドーピング防止規則違反の程度及びスポーツにおけるドーピング排除に向けた本実質的支援の重要性を考慮して決定する。なお本資格停止期間は4 分の3を超えて猶予してはならない。本来の本資格停止期間が永久である場合、猶予しない期間は8年以上としなければならない。本項に従い、KIF又はその本国内競技連盟が本資格停止期間を猶予する場合、KIF又はその本国内競技連盟は、速やかに当該決定に対し不服申立てをする権利を有する各本ドーピング防止機関に、その決定を正当化する理由を記載した書面を提出しなければならない。KIF又はその本国内競技連盟が、本実質的支援を提供しなかったことを理由に、本資格停止期間の猶予を取り消した場合、本競技者等は第13.2項に従い、これに不服申立てをすることができる。

10.5.4  その他の証拠がない場合におけるドーピング防止規則違反の自白

ドーピング防止規則違反を証明しうる本検体の採取の通知を受け取る前に(又は、第2.1 項以外のドーピング防止規則違反事件において、第7 条に従って自白された違反に関する最初の通知を受け取る前に)、本競技者等が任意にドーピング防止規則違反を自白し、当該自白が、自白の時点で当該違反に関する唯一の信頼できる証拠である場合には、本資格停止期間を短縮することができる。ただし、短縮された後の本資格停止期間は、本来の本資格停止期間の半分を下回ることはできない。

10.5.5 本競技者又はその他の人が、本条における2以上の規定に基づく制裁措置の短縮の権利を証明した場合

第10.5.2 項、第10.5.3 項又は第10.5.4 項規定の短縮又は猶予を適用する前提としてまず第10.2 項、第10.3 項、第10.4 項及び第10.6 項に従って元となる本資格停止期間を決定するものとする。本競技者等が本第10.5.2 項、第10.5.3 項、第10.5.4 項のうち2 以上の規定に基づく本資格停止期間の短縮又は猶予の権利を証明した場合には、本資格停止期間を短縮又は猶予することができる。ただし、短縮又は中断された後の本資格停止期間は、当該事情がなければ適用された本資格停止期間の4分の1 を下回ることはできない。

10.6加重事情による本資格停止期間の延長

KIF又はその本国内競技連盟が第2.7 項(本不正取引の実行又は本不正取引の本企て)及び第2.8 項(投与又は投与の本企て)以外の個々のドーピング防止規則違反事件において、通常の制裁措置に比べて重い本資格停止期間の賦課すべき事情を証明した場合、本競技者等が自己がドーピング防止規則違反を知りながら犯したものではないことを聴聞パネルが満足する程度に証明しない限り、本資格停止期間は4 年間を上限として延長される。本競技者等人は、KIF又はその本国内競技連盟によりドーピング防止規則違反に問われた後速やかに主張されたとおりのドーピング防止規則違反を認めることにより、本条の適用を免れることができる。

10.7 複数の違反

 

10.7.1 ドーピング防止規則に対する2回目の違反

本競技者等の1 回目のドーピング防止規則違反についての本資格停止期間は、第10.2 項及び第10.3 項(第10.4 項又は第10.5 項の取消し、短縮又は猶予、及び第10.6 項の延長の可能性あり)に規定されているが、2回目のドーピング防止規則違反については下記の表に規定に従うものとする。

2回目の違反

1回目の違反

RS FFMT NSF St AS TRA
RS 1-42-42-44-68-1010-永久
FFMT 1-44-84-86-810-永久永久
NSF 1-44-84-86-810-永久永久
St 2-46-86-88-永久永久永久
AS 4-510-永久10-永久永久永久永久
TRA 8-永久永久永久永久永久永久

2 回目のドーピング防止規則違反の表における定義は次のとおりである。

RS(第10.4 項の本特定物質についての短縮制裁措置):ドーピング防止規則違反が本特定物質についてのものであり、第10.4 項に定められるその他の要件を満たしているため、第10.4 項による短縮された制裁措置が課された又は課されるべき場合。

FFMT(居場所情報未提出又は検査未了):第10.3.3 項(居場所情報未提出又は検査未了)の制裁措置が課された又は課されるべき場合。

NSF(本重大な本無過失による短縮制裁措置):本重大な本無過失の証明により第10.5.2 項の短縮制裁措置が課された又は課されるべき場合。

St(第10.2 項又は第10.3.1 項の通常制裁措置):第10.2 項又は第10.3.1 項の通常の2 年間の制裁措置が課された又は課されるべき場合。

AS(加重制裁措置):第10.6 項の加重制裁措置が課された又は課されるべき場合。

TRA:(本不正取引又は本不正取引の本企て及び投与又は投与の本企て):第10.3.2 項の制裁措置が課された又は課されるべき場合。

10.7.2   10.5.3及び10.5.4の2回目のドーピング防止規則違反への適用

2回目のドーピング防止規則違反を行った本競技者又はその他の人が10.5.3又は10.5.4規定の短縮事由を証明した場合、聴聞パネルは10.7.1の表の範囲内で本来の本資格停止期間を決定し、その後当該期間に適切な短縮又は猶予を行う。当該短縮又は猶予適用後の本資格停止期間は、本来の期間の4分の1を下回ってはならない。

10.7.3  3 回目のドーピング防止規則違反

3 回目のドーピング防止規則違反の場合、永久の本資格停止となる。ただし、第10.4 項の本資格停止期間の取消し若しくは短縮の要件を満たす場合又は第2.4 項に対する違反(居場所情報未提出又は検査未了)に関するものである場合にはこの限りではなく、この場合の本資格停止期間は8年から永久とする。

10.7.4 潜在的な複数違反に関する追加規定

・ 第10.7 項の規定の適用上、2 回目のドーピング防止規則違反とされるのは、本競技者等が第7 条(結果の管理)に基づくドーピング防止規則違反の通知を受けた後又はKIF又はその本国内競技連盟がドーピング防止規則違反の通知をするために合理的な努力を行った後に、当該競技者等が別のドーピング防止規則違反を犯したことをKIF又はその本国内競技連盟が証明した場合とする。KIF又はその本国内競技連盟が当該事実を証明することができない場合、全体として一つの1 回目の違反とされ、より重い違反についての制裁措置が課されるものとするが、複数回の違反があったという事実は、加重事情(第10.6 項)の有無の判断の際の要素として考慮することができるものとする。

・ 1回目のドーピング防止規則違反が解決された後、KIF又はその本国内競技連盟が1回目の違反に関する通知以前に発生した競技者又はその他の人によるドーピング防止規則違反の事実を発見した場合には、KIF又はその本国内競技連盟は、仮に2 つの違反が同時に裁定されていたならば課されたであろう制裁措置を課すものとする。複数のドーピング防止規則違反のうちより早い方のドーピング防止規則違反からの本競技会における結果は、第10.8 項に従い本失効する。以前に行われた違反が後に発覚することで、加重事情(第10.6 項)として考慮されることを避けるためには、本競技者等は自己が初めに受けた違反の通知の後速やかに、前に犯したドーピング防止規則違反を自発的に認めなければならない。上記の規則はKIF又はその本国内競技連盟が、2 回目のドーピング防止規則違反が解決された後に、前の違反を発見した場合にも適用する。

10.7.5  8年以内の複数回のドーピング防止規則違反

第 10.7 項の適用において、各ドーピング防止規則違反を複数回の違反とみなすためには、当該各違反が8 年以内に発生していなければならない。

10.8 本検体採取又はドーピング防止規則違反後の本競技会における成績の本失効

第 9 条(個人の成績の自動的本失効)に基づく本検体が陽性となった本競技会における成績の自動的本失効に加えて、陽性本検体が採取された日(本競技会であるか本競技会外であるかは問わない。)又はその他のドーピング防止規則違反の発生の日から、本暫定的資格停止本資格停止又は本資格停止期間の開始日までに獲得された全ての競技成績は、公正の観点から別段の扱いをすべき場合を除き本失効し、その結果メダル、得点、及び賞の剥奪を含む措置が課される。

10.8.1 資格回復の要件として、ドーピング防止規則に違反したことが発覚した後、本競技者は本条により没収される全ての賞金を返還する必要がある。

10.8.2 没収された賞金の割当て

没収された賞金は他の本競技者に対し割り当てる。

10.9 本資格停止期間の開始

 

以下に定める場合を除き、本資格停止期間は、聴聞パネルが本資格停止を定める決定を下した日又は聴聞に参加する権利が放棄された場合には、本資格停止を受け入れた日若しくは別途本資格停止措置が課された日を起算日として開始される。本暫定的資格停止(強制的に課されたものであるのか、自発的に受け入れられたものであるのかは問わない。)に服した期間は、課された本資格停止期間に算入される。

10.9.1 競技者又はその他の人の責に帰すべきではない遅延

聴聞手続又は本ドーピングコントロールにおいて本競技者等の責に帰すべきではない事由により大幅な遅延が発生した場合には、制裁措置を課すKIF又はその本国内競技連盟は、本検体採取の日又は直近のその他のドーピング防止規則違反の発生日の早い方の日まで、本資格停止期間の開始日を遡及させることができる。

10.9.2 適時の自白

本競技者が、KIF又はその本国内競技連盟からドーピング防止規則違反を問われた後、速やかに(遅くとも本競技者が再度競技に参加する前)ドーピング防止規則違反を自白した場合には、本検体採取の日又は直近のその他のドーピング防止規則違反の発生日まで本資格停止期間を遡及させることができる。ただし、本競技者等は少なくともを、本競技者等が制裁措置の負担を受け入れた日、制裁措置を賦課する聴聞パネルが決定を下した日、又は制裁措置がその他の方法で賦課された日から起算して、本来の本資格停止期間の半分の期間本資格停止に服さなければならない。

10.9.3 本競技者に本暫定的資格停止が課されかつ当該競技者がこれを遵守した場合、当該競技者は最終的に課される本資格停止期間に参入される。

10.9.4 本競技者が、書面により、結果管理の権限を有するKIF又はその本国内競技連盟からの本暫定的資格停止を自発的に受け入れ、その後競技への参加を控えた場合には、当該競技者について本資格停止期間に当該期間を参入する。ドーピング防止規則違反の通知を受けるべき各当事者には、本競技者の自発的な受入れを証する書面の写しを第14.1 項に基づき速やかに提供するものとする。

10.9.5 本暫定的資格停止又は自発的な本暫定的資格停止が発効を生じる以前に本競技者が競技への参加を見合わせ又は所属チームから参加を停止させられていた場合であっても当該期間は本資格停止期間に参入されない。

10.10 本資格停止期間中の地位

 

10.10.1 本資格停止期間中の参加禁止

本資格停止を宣言された本競技者等は、本資格停止期間中は、KIF、本国内競技連盟、KIF又は国内競技連盟加盟のクラブその他の組織が認定し又は主催する本競技大会や活動(認定されたドーピング防止教育又はリハビリテーション・プログラムは除く)、プロ・リーグその他の国際的、国内的水準の本競技大会組織が認定、主催する本競技会にいかなる資格においても参加できない。

4年より長い本資格停止期間を課された本競技者等は、4年間の本資格停止期間経過後、当該競技者等がドーピング防止規則違反を行ったスポーツ以外の地域の本競技大会に参加できる。ただし、当該本競技大会は、国内チャンピオンシップ又は本国際競技大会への出場資格に直接的又は間接的につながる(又は獲得ポイントとなる)水準の大会であってはならない。

本資格停止期間が課された本競技者等は引き続き検査の対象となるものとする。

10.10.2 本資格停止期間中の参加禁止に対する違反

本資格停止が課された本競技者等が、本資格停止期間中に第10.10.1 項の参加禁止に違反した場合、その結果は本失効し、当初課せられた本資格停止期間は当該違反があった日を起算日として再び開始するものとする。本競技者等が参加禁止の違反に関し、自己に本無重過失を証明した場合には、新たな本資格停止期間は第10.5.2 項に従い短縮することができる。本競技者等に参加禁止の違反があったか及び第10.5.2 項を適用すべきかは、KIF又はその本国内競技連盟が決定する。

10.10.3 本資格停止期間中の資金援助の停止

第 10.4 項規定の制裁措置(本特定物質であることによる短縮)以外のドーピング防止規則違反があった場合、KIF及びその本国内競技連盟は該当者が受けてていたスポーツ関連の経済的便宜の全部又は一部を停止する。

10.11 資格回復のための検査

本資格停止期間の終了時に資格を回復する要件として、本競技者は、本暫定的資格停止又は本資格停止期間中、検査権限を有するKIF、該当する本国内競技連盟、その他の本ドーピング防止機関の本競技会外検査を受け、要求された場合には、正確な最新の居場所情報を提供しなければならない。本競技者が本資格停止期間中に引退し、本競技会外の本検査対象者登録リストから除外された後に資格回復を希望する場合、KIFと該当する本国内競技連盟に対し通知を行い、第5.6項規定の期間以上本競技会外の検査の対象とされるまでは、資格の回復はないものとする。当該本資格停止の残存期間中、各検査の間を少なくとも3ヶ月空けて最低2回の検査が行われる必要がある。本国内競技連盟が検査の実施に対する責任を負うが、本ドーピング防止機関による検査により当該条件を満たすことも可能である。検査の結果はKIFに報告されるものとする。加えて本資格停止期間終了の直前に、本競技者は本競技会外検査において禁じられている本禁止物質及び方法につきKIF又は本国内競技連盟による検査を受けなければならない。本競技者の本資格停止期間が終了し、回復の要件を満たした場合、本競技者は自動的に再び有資格者となり、本競技者又は本国内競技連盟による申請は不要である。

10.12  経済制裁の賦課

 

KIFは、違反の重大性を考慮の上、100,000円を上限にドーピング防止規則違反を理由とした経済制裁を行うことができる。但し当該経済制裁を本資格停止期間その他WADA規程によって課せられる他の制裁を短縮する事情として考慮することはしないものとする。

11   チームに対する措置

意図的に余白

12  本国内競技連盟に課せられる制裁と費用

12.1  KIFは、本規則を遵守しない本国内競技連盟に対する財政的支援その他の非経済的支援の一部又は全部を停止する権利を有する。

12.2  本国内競技連盟は、当該本国内競技連盟に所属する本競技者等が犯したドーピング防止規則違反に関連する全費用(分析機関に関する費用、聴聞費用、旅費を含むがそれらに限られない)をKIFに返還する義務を負う。

12.3  KIFは本国内競技連盟に対して、認可、本国際競技大会本競技大会に参加する役員及び本競技者の資格及び罰金に関し、以下の通り追加的に制裁を課すことができる。

12.3.1     本国内競技連盟に関連する本競技者等についてKIF又は本国内競技連盟若しくはその国内ドーピング防止機関以外の本ドーピング防止機関による検査で12か月以内に4回以上の本規則違反(第2.4項及び第10.3項を除く)があった場合: KIFは(a)最長2年当該本国内競技連盟の役員のKIFの活動への参加を禁止する又は②当該本国内競技連盟に対して1,000,000円を上限とする罰金を課すことができる。(本規定の適用上、12.3.2項に従って課された罰金は本規定の罰金に参入するものとする)

12.3.2     本国内競技連盟所属の2名以上の本競技者等に本国際競技会における本規定違反があった場合:KIFは当該本国内競技連盟に対して500,000円を上限とする罰金を課すことができる。

12.3.3  本国内競技連盟が、KIFから本競技者の居所情報を要求されたにもかかわらず情報提供のための適切な努力を怠った場合:KIFは当該本国内競技連盟に対して1名あたり200,000円及び当該本競技者を検査するためKIFに生じた費用を上限とする罰金を課すことができる。

13  不服申立て

 

13.1  不服申立ての対象となる決定

本規則基づく決定に対しては第13.2 項から第13.4 項までの規定その他本規則の規定に従い不服申立てを行うことができる。但し、当該決定は、不服申立を受けた機関の命令がない限り、不服申立中においても引き続き効力を有するものとする。不服申立手続開始前に、本規則又は第8条に則り聴聞手続きを行う本ドーピング防止機関の規則に従った検討が尽くされなければならない(第13.1.1項に規定された場合を除く)。

13.1.1  WADAが内部救済を経る必要がない場合

WADA が第 13 条に基づき不服申立てをする権利を有している場合で、KIF又はその本国内競技連盟の手続において、その他の当事者が最終的決定に対し不服申立てをしない場合、WADA は当該決定に対し、KIF又はその本国内競技連盟の他の救済措置を尽くすことなく、CAS に対し直接不服申立てをすることができる。

13.2 規則違反、措置、本暫定的資格停止に関する決定の不服申立

 

以下の決定については、本第13.2項の規定に基づいてのみ不服申立をすることができる。

  • ドーピング防止規則違反を行ったという決定、ドーピング防止規則違反に対して制裁を課す決定、ドーピング防止規則違反がないという決定
  • 手続的理由(時効等)によりドーピング防止規則違反に関する制裁手続を進めることができない旨の決定
  • 第10.2項(本資格停止期間中の参加禁止)に基づく決定
  • 当該ドーピング防止規則違反又はそれに対する制裁に関してKIF又はその本国内競技連盟に管轄権がないとする決定
  • 本違反分析結果又は本非典型結果をドーピング防止規則違反としてとりあげない旨の本ドーピング防止機関の決定
  • 第1.88による調査を行った結果ドーピング防止規則違反としてとりあげないとする決定
  • 本暫定聴聞の結果又は第6項の違反により、本暫定的資格停止を課す決定

13.2.1 本国際水準競技者が関与する不服申立て

本国際競技大会の参加についての事件又は本国際水準競技者についての事件の場合には、CASの関連規定に従ってCASにのみ不服申立てをすることができる。

13.2.2 国内水準の競技者が関与する不服申立て

各本国内ドーピング防止機関により定められる国内水準の本競技者であって、第13.2.1 項に基づいて不服申立てをすることのできない者の事件に関する決定については、本国内ドーピング防止機関の規則に従い公平な機関に不服申立てをすることができる。本国内ドーピング防止機関にそのような機関がない場合には、CASに不服申立を行うことができる。

13.2.3   不服申立てをする権利を有する人

第 13.2.1 項に定められている事件の場合、CAS に不服申立てをする権利を有する当事者は次のとおりとする。

(a) 不服申立てを行う決定の対象となった本競技者等

(b) 当該決定が下された事件の他当事者

(c) KIF

(d) 該当者の居住地国、国籍国又はライセンス保有国の本国内ドーピング防止機関

(e) オリンピック大会又はパラリンピック大会の参加資格への影響等オリンピック大会又はパラリンピック大会に影響のある決定の場合、国際オリンピック委員会又は国際パラリンピック委員会

(f) WADA

第 13.2.2 項に定められている事件の場合、国内水準の審査機関に不服申立てをする権利を有する当事者は、本国内ドーピング防止機関の規則の定めのとおりとするが、最低限次の者を含むものとする。

(a) 不服申立てを行う決定の対象となった本競技者等

(b) 当該決定が下された事案の他当事者

(c) KIF

(d) 当該人の居住地国の本国内ドーピング防止機関

(e) WADA

第13.2.2 項に定められている事件の場合、WADA 及びKIFは、国内水準の審査機関の決定に関しても、CAS にも不服申立てをする権利を有する。不服申立てをする当事者は、不服申立ての対象となる決定を下した本ドーピング防止機関から全ての関係情報を取得するためにCAS からの支援を受けることができ、CASが命じた場合には当該情報は提供されなければならない。

本規則の他の規定にかかわらず、本暫定的資格停止について不服申立てをすることができるのは、当該本暫定的資格停止の対象となった本競技者等に限られる。

13.3  KIF及びその本国内競技連盟による時期を失した決定

WADA が定めた合理的な期限内にKIF又はその本国内競技連盟が、個別事件においてドーピング防止規則違反の有無を決定できなかった場合、WADA は、KIF又はその本国内競技連盟がドーピング防止規則違反はなかったと決定したものとして、CAS に直接不服申立をすることができる。CASの聴聞パネルがドーピング防止規則違反があったこと及びWADAがCAS への直接不服申立を合理的に行ったことを認めた場合、KIF又はその本国内競技連盟はWADAの不服申立に伴う費用及び弁護士費用を補償する。

13.4  治療目的除外の付与又は不承認決定に対する不服申立

TUEの付与又は不承認を覆すWADAの決定については、本競技者又は決定が覆された本ドーピング防止機関がCAS にのみ不服申立できる。WADA以外の本ドーピング防止機関によるTUE 不承認の決定でWADA によって覆されていないものについては、本国際水準競技者はCAS に、その他の本競技者は第13.2.2項が定める国内水準審査組織に対して不服申立を行うことができる。国内水準審査組織が当該不承認の決定を覆した場合、WADAはCAS に不服申立を行うことができる。

KIF、本国内ドーピング防止機関又は本国内競技連盟による委任を受けた他の団体が、適切に提出されたTUE 申請に対して合理的時間内に対応しなかったた場合、本条が定める不服申立権に関しては、不承認決定がなされたものとみなされる。

13.5   12条に基づく決定に対する不服申立

第12条に基づくKIFの決定については、本国内競技連盟がCAS にのみ不服申立できる。

13.6  不服申立期間

CAS への不服申立提出期間は、不服申立当事者が決定を受け取った日から21 日間である。上記に係わらず、不服申立の対象となる決定の当事者でない不服申立権者による不服申立に関しては、以下が適用される。

(a)決定の通知から10 日内に、当該当事者は決定を行った組織に対して、その組織が依拠したファイルのコピーを請求する権利を有する。

(b)10 日内に上の請求がなされた場合、その請求を行った当事者はファイルの受領後21日間内にCAS に不服申立できる。

上記に係わらず、WADAが行う不服申立又は介入の提出期限は、下記の遅いほうとなる。

(a)事件に係わる各当事者が不服申立の期限最終日から21日間

(b)WADA が決定に関する完全なファイルを受領してから21 日間

14   報告及び承認

14.1    通知、守秘義務及び報告

14.1.1  本競技者等に対する通知

本競技者等に対する通知は第7条に従い行う。本国内競技連盟の会員である本競技者等に対する通知は、当該本国内競技連盟に対して行うことができる。

14.1.2   本国内ドーピング防止機関、KIF及びWADA に対する通知

本国内ドーピング防止機関、KIF及びWADAに対する通知は第7条に従い行う。

14.1.3   通知の内容

第7条に従い行う本競技者の本国内ドーピング防止機関、KIF及びWADAに対する通知には、本競技者の氏名、国、スポーツ及びその種目、競技者の競技水準、本競技会内検査であるのか又は本競技会外検査であるのか、本検体採取日、検査機関によって報告された分析結果を記載する。

14.1.4   状況報告

上記当事者及び本ドーピング防止機関は、第 7条「結果管理」、第8条「公正な聴聞会に参加する権利」又は第13条「不服申立」の手続きの結果や状況について定期的に情報提供を受けるものとし、書面による理由説明又は決定を説明する決定書の提供を遅滞なく受けるものとする。

14.1.5   守秘義務

情報を受領した各機関は、結果管理責任を有する本ドーピング防止機関が本情報開示を行うか第14.2項で要求される本情報開示をすることができなかったという結果となるまで、情報を知るべき人(該当本国内オリンピック委員会、本国内競技連盟及び本団体スポーツのチーム等)以外に当該情報を開示してはならない。

14.2   情報開示

 

14.2.1   KIF又は本国内競技連盟からドーピング防止規則違反を問われてる本競技者等についての本情報開示はは、第7.1項、第7.2項又は第7.4項に従った本競技者等への及び第14.1.2項に従った本ドーピング防止機関への通知があった後に限り、KIF又は本国内競技連盟は本情報開示を行うことができる。

14.2.2 第8 条に従い聴聞でドーピング防止規則違反が認定された場合、、聴聞が放棄された場合又は、ドーピング防止規則違反の主張に対して時宜を得た異議申立主張が行れなかった場合には、その時から20 日以内にKIF又は本国内競技連盟は、当該スポーツ、違反したドーピング防止規則、違反を犯した本競技者等の氏名、関係している本禁止物質又は本禁止方法及び課された本制裁などのドーピング防止問題の結末を一般に開示しなければならない。KIF又は本国内競技連盟はまた、ドーピング防止規則違反に関する不服申立の決定を20 日以内に一般に開示しなければならない。加えてKIF又は本国内競技連盟は、開示期間内にWADA に対して聴聞及び不服申立の決定を全て送付する。

14.2.3   聴聞又は不服申立により本競技者等にドーピング防止規則違反がなかったと決定された事件については、当該本競技者等の同意がない限り決定は開示されない。KIF又はその本国内競技連盟当該同意を得るため合理的な努力を行い、同意を得られた場合は決定を全部又は本競技者等の合意した省略形式にて一般に開示する。

14.2.4   第14.2項の開示は、最低でも、KIF又は本国内競技連盟のウェブサイト上に必要な情報をも1年間情報を掲載する方法にて行う。

14.2.5  KIF、その本国内競技連盟、又はそれらの役員は、本競技者等又はその代理人に対する公のコメントへの応答を除き、継続中の事件の具体的事実について公にコメントしてはならない(科学的事項及び一般手続に関する一般的説明は除く)。

14.3    競技者の居場所情報

検査に関する本国際基準に詳述されているように、KIF又は本国内競技連盟に本検査対象者登録リストに掲載すべく特定された本競技者らは、最新の正確な居場所情報を提供しなければならない。KIF及び本国内ドーピング防止機関は、本競技者の身元確認及び最新の居場所情報の収集を協力して行い当該情報をWADA に提供する。本競技者の検査を行う権利を有する他の本ドーピング防止機関も合理的に可能な範囲でADAMSを通じて当該情報を利用することができる る。当該情報は常に極秘扱いとし、検査の計画、調整又は実施を目的とする場合に限って用いるものとし、当該目的に該当しなくなった場合破棄するものとする。

14.4     統計報告

KIF又は本国内競技連盟は少なくとも年に1 回、本ドーピングコントロール活動の全般的統計報告を一般に公開し、コピーをWADA に提出する。加えてKIF又は本国内競技連盟は、検査した各本競技者の氏名及び検査日に関する報告を公開することができる。

14.5    本ドーピングコントロール情報の広報機関

WADA は、各本国内ドーピング防止機関の本検査対象者登録リストに記載されている本国際水準競技者及び国内水準の本競技者に対する本ドーピングコントロール検査のデータ及び結果に関する中心的な広報機関としての役割を果たす。検査配分計画の調整を図り、各本ドーピング防止機関による検査の不必要な繰り返しを避けるため、KIF又は本国内競技連盟は、検査が実施されたのちできる限り早くWADA情報機関 に、本競技会内検査及び本競技会外検査を全て報告する。本競技者、本競技者の本国内競技連盟、本国内オリンピック委員会、国内パラリンピック委員会、本国内ドーピング防止機関、KIF及び国際オリンピック委員会又は国際パラリンピック委員会は当該情報を利用できるものとする。

WADA は、本ドーピングコントロール検査データの情報機関としての役割を果たすため昨今のデータプライバシーの原則に対応したデータベース管理ツールADAMS を開発した。本競技者、本競技者支援要員又はドーピング防止活動の関係者に関する私的情報は、カナダのプライバシーに関する当局による監督下でWADA がプライバシー保護の本国際基準に準拠し極秘扱いで保管するものとする。

14.6    データプライバシー

KIF又は本国内競技連盟は、本規則に従い、本競技者及び第三者に関係する個人情報の収集、保管、処理又は開示を行うことができる。KIF又は本国内競技連盟は情報を取り扱う上で適用あるデータ保護とプライバシーに関する法律及びプライバシー保護に関する本国際基準(WADAが本競技者及び非競技者に十分な情報を確実に与え、必要な場合にWADA規定と本規則に基づくドーピング防止活動に関する個人情報の取り扱いについて同意を得るために採用すべきものである)を遵守する。

15  相互承認

15.1本国内競技連盟又は本署名当事者がその権限に基づき行った本検査、TUE 及び聴聞の結果その他の最終決定は、WADA規程に適合している限り、第13 条の不服申立権の適用を受ける前提で、KIF及び全ての本国内競技連盟によって承認され、尊重されるものとする。

15.2 KIF及びその本国内競技連盟は、WADA規程を受諾していない他の組織が行った上記行為であっても、当該組織の規則がWADA規程に適合している場合には、これを承認する。

15.3 第13条の不服申立権に従うことを条件として、全ての本国内競技連盟本は、本規則の違反に関するKIFの決定を承認し、当該決定の実行のため必要な全ての行為を行うものとする。

16  KIFドーピング防止規則の承認

全ての本国内競技連盟は、本規則に従うものとする。各本国内競技連盟は、本規則を接又は参照する形でその規則に規定するものとする。全ての本国内競技連盟は、その規則中に本規則を実効的に執行するための手続を規定するものとする。

17条 時効

本規則に定められているドーピング防止規則違反に関して、違反が発生したと主張されている日から8年間制裁等の行為が開始されなかった場合には、本競技者等に対する制裁等を行うことはできない。

18  WADA に対するKIF の遵守報告

KIFはWADA に対して2年に1回WADA規程の遵守報告を行い、非遵守がある場合その理由を説明する。

19  規則の修正及び解釈

 

19.1  KIFは本規則を適宜修正することができる。

19.2  第19.5項を除き、本規則は既存の法律・規則を参照することなく、独立及び自立した文書として解釈される。

19.3  本規則の各部、各条項の見出しは便宜上だけのものであり、本規則の実体的内容の一部とはみなされず、当該見出しが付されている規定の文言に対して影響を及ぼすものではない。

19.4 「序論」、「付録1. 定義」及びWADA によって公布された本国際基準は本規則と不可分の一部とみなされる。

19.5  本規則はWADA規程の規定条項に従って採択されており、WADA規程の規定条項に適合するよう解釈されるものとする。

19.6  本規則を解釈する上で、WADA規定及び本規則に関する注記を参照するものとする。

19.7  本規則は【 】に効力を発し、施行された。本規則は施行日前に係属した事件に遡及して適用されるものではない。但し以下の規定に従う。

19.7.1  本効力発生日前から継続している事件又はそれ以前に発生したドーピング防止規則違反に対する事件については、聴聞パネルがより軽い刑罰適用の原則(principle of lex mitior)を適用する場合を除いて、申し立てられているドーピング防止規則違反の時点で効力を有していたドーピング防止規則が適用される。

19.7.2  本効力発生日前に当該日付前から存在し本効力発生日までに失効していない規則に従ってKIFが決定した第2.4項の居場所情報要件違反(居場所情報未提出であるか検査不参加であるかを問わない)で、検査に関する本国際基準第11 条の居場所情報要件違反として認められるものについては、それが失効するまでは検査に関する本国際基準に準拠して手続きを進めることができ、信頼に値するものであると考えられる。

19.7.3  本競技者等が、本効力発生日前にドーピング防止規則違反について決定を受け、本効力発生日においてまだ本資格停止期間の状態にある場合、本競技者等は、ドーピング防止規則違反に対する結果管理の責任を担っている本ドーピング防止機関に対して、本規則を踏まえて本資格停止期間の短縮を考慮するように申請することができる。当該申請は本資格停止期間が終了する前に行わなければならない。その決定に対しては第13.2項に従って不服申立を行うことができる。本規則は、ドーピング防止規則違反の最終的決定が下されかつ本資格停止期間が終了している事件については適用されない。

19.7.4  第10.7.5項の規定の適用を受けることを前提に、本効力発生日前に有効であった規則の下で犯されたドーピング防止規則違反は、第10.7項により制裁を決定する際、以前の違反として考慮される。当該本効力発生日前の規則違反が、本規則上本資格停止期間が2年以下である本特定物質に関するものであった場合、当該違反は第10.7.1 項1においては短縮制裁違反と見なされる。

20条  本競技者等の追加的役割及び責任

20.1  本競技者の役割及び責任

20.1.1  本規則を理解し遵守すること。

20.1.2  本検体採取に応じること。

20.1.3 ドーピング防止との関連においては、自己が摂取するもの及び本使用するものに関して責任を負うこと。

20.1.4  医療関係者に対して本禁止物質及び本禁止方法に関して負っている義務を伝え、自らが受ける医療処置がドーピング規則違反とならないよう確保すること。

20.2  本競技者支援要員の役割及び責任

20.2.1  本規則を理解し遵守すること。

20.2.2  本競技者の本検査プログラムに協力すること。

20.2.3  本競技者のドーピング防止の姿勢を促すよう本競技者の価値観及び行動に対する影響力を行使すること。

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日本アンチ・ドーピング機構
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