大会結果
2019北斗旗全日本体力別選手権 九州・中四国予選
日時2019年03月17日(日)会場大宰府市総合体育館
2019北斗旗全日本体力別選手権 九州・中四国予選
230以下
【勝利者】 野﨑允裕(筑紫野)
250以上
【優 勝】 笹沢一有(大分)
第52回大道塾九州・中四国地区交流試合
年長・小学1年生 男女混合
【優 勝】 深町大智(朝倉)
小学2年生 男子
【優 勝】 石神大地(大野城)
【準優勝】 久保田航貴(大野城)
小学2・3年生 女子
【優 勝】 福嶋千愛(筑紫野)
【準優勝】 荒木あかり(筑紫野)
小学3年生 男子
【優 勝】 尾崎勇真(筑紫野)
小学4年生 男子
【優 勝】 井関泰志(大野城)
【準優勝】 廣岡晴海(大野城)
小学5年生 男子
【優 勝】 増田悠人(筑紫野)
【準優勝】 高尾伊織(朝倉)
小学6年生 男子
【優 勝】 加藤優弥(大野城)
U13女子 35㎏未満
【優 勝】 中島なみえ(筑紫野)
U13女子 35㎏以上
【勝利者】 内田紗椰(周南)
U15男子
【優 勝】 鶴田響輝(朝倉)
U16女子
【勝利者】 中島みさき(筑紫野)
U16・19男子
【勝利者】 上野幹斗(筑紫野)
シニア顔面打撃の部
【勝利者】 檀明宏(大野城)
シニア空道の部
【優 勝】 小川哲朗(筑紫野)
大会レポート
2019年3月17日快晴、とびうめアリーナ(太宰府市総合体育館)武道場にて2019北斗旗全日本空道体力別選手権九州・中四国地区予選ならびに第52回大道塾 九州・中四国地区交流試合が開催された。とびうめアリーナは2016年の開館以来大会会場としてお世話になっている施設、大会、試合となると周りを見るというのもなかなか難しいが、春の大会は時候柄、梅の花が満開、また周囲には、戦国ファンにはたまらない高橋紹運の墓、少し足を延ばせば「とびうめアリーナ」の名称の由来となった神木「飛梅」(「飛梅」は他の梅よりもちょっと早めに咲き始めるそうです。)が植えられている太宰府天満宮がある。
太宰府市を挟んで筑紫野市、大野城市があり大野城市の隣が朝倉市、この一帯は松尾剛支部長の本拠地、試合開始に先立ち、開会式において松尾支部長に対し、多くの塾生に昇級・昇段審査の受験機会を与えたということで審査指導功労賞(松尾支部長は、受験者数の増大に加え、審査会においては審判講習も並行して主催、審査会の内容充実とともに審判員の技量向上にも努めている。)、会員拡大功労賞が授与された。空道普及のための会員拡大とそのための拠点拡充の努力、さらには活動の充実といった一連の成果に対する賞である。
試合開始、今回は最年少が7歳、最年長が55歳、総勢70名の参加選手が戦った生涯武道の大会。幼年部、小学生の部、中学部と大会定点観測を続けていると、一人ひとりの成長、兄弟関係など諸々が思い起こされ興味深い。昨年の第2回世界空道ジュニア選手権大会では、この大会で育った鶴田選手がU16M68で準優勝(今大会にもその兄弟が出場、目覚ましい成果を挙げた。)と地方が世界に直結している時代である。小学校低学年あたりは微笑ましい戦いぶりだが、中・高学年となるとその技量、力量に目を見張るものがある。U15以上になると体格的にも一般部に遜色ない。徒手格闘において、本人が言うのであるから間違いないはずだが、筆者を顧みれば人生最強の時期が17歳くらいだったように思う(客観的にも根拠がある。)。十代後半世代の力強い戦いを見ながら、そんなこんなを考えた。少年部で活躍した選手がそのまま一般部で活躍するという例が普通になってきた時代、今後の活躍に期待したい。
シニアの部、顔面打撃の部とシニア空道の部。顔面打撃の部では、壇が内田から右ストレートで効果2を取って勝利、NHG空を打ち抜いてガツンと音が響くストレートは説得力がある。シニアだけでなく、ストレートでのポイント摂取は実戦的にも大いに研究すべき。シニア空道、注目選手は最年長の山下選手、山下選手はヨット(オリハルコン)で家族とともに太平洋を一周した冒険者、その航海の経緯が昨年(8月2日)日テレ系テレビ番組、ヒロミの『衝撃のアノ人に会ってみた』で紹介されている。今回、何はさておきとにかく大会に出たいという、冒険者らしい動機でのチャレンジ。初戦対元田戦には何とか勝利するも、次の対小川戦、立ってよし寝てよしの試合巧者の小川にマウントを取られ敗退、小川は、元田との接戦を制し優勝。従来、シニア、マスターズと呼ばれていた世代が、近年、社会の中堅として最も活躍している、あるいは活躍を期待される世代という意味で「アクティブ・エイジ」と呼ばれるようになってきている。生涯武道である空道の発展にとって、アクティブ・エイジのまさしくアクティブな活躍には大いに意義がある。
さて予選、ふっと思い浮かんだのがレファレンスという言葉、参照とか準拠と訳されるが、ものごとを判断、調査するためのとっかかりといった意、大会常連として常に試合場に立ち、チャレンジャーに対するいわば壁になって立ちはだかる選手(たち)というのは、(本人たちの気持ちはどうであれ)大会のレファレンス・パーソン、レファレンス・グループになっているように思う。近年の九州大会では、藤田支部長を筆頭とする大分重量級軍団(藤田・笹沢・松永)がまさしくレファレンス・グループ。体力指数250以上の戦いはこの大分軍団に広島から中桶が飛び込む形となったが、初戦の対笹沢戦、投げからのニーオンザベリー2回、効果2を取られ、最後は狙い澄ましたボディーアッパーで中桶KO。しばらく立てず、ダメージが回復せず残りの試合も棄権。笹沢が上手さと力強さを見せつけた試合。笹沢は対藤田戦でも投げからの効果を取って優勢勝ち、対松永戦も5-0の優勢勝ちと順当に勝利、優勝を決めた。笹沢選手は、国内外の大会ですでに実績を積んでいる選手であるが、その戦いぶりに「これから」を期待するのは私だけではあるまい。
軽量級、野崎対張迫、いずれも大会常連、野崎選手は国内大会、アジア大会と試合経験も豊富、気がついたらベテランの域に。今回は軽量級参加者が少なく、予選で同じ相手が二回戦うことに。一回目、張迫若さに任せて前に出る、前半張迫優位に立つかに思われたが、後半になると野崎、試合経験に物を言わせ、ポイントを稼ぐ。ストレート効果2で野崎勝利。2戦目、張迫の戦いを見切ったか、ストレートのポイントを狙いながら寝技への引き込みを試みつつ、試合の主導権を確保しながら野崎勝利。
地方大会とはいいながら、世界大会、アジア大会出場選手がいわば世界標準として出場、活躍した大会、世界につながる地方大会だったように思う。北斗旗出場者の健闘を願うとともに、参加者各人の今後の精進に期待したい。
広島中央支部 村上智章