2015北斗旗全日本空道体力別選手権大会  2015全日本空道シニア選抜選手権大会

撮影:牧野壮樹

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大会概要

2015年5月5日 開場9:30 開会式10:00
青葉体育館・仙台市武道館
入場無料

大会の見所

大会の見所

東孝塾長が語る今大会の見所

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2015体力別全日本大会 展望

2015体力別全日本大会 展望

世界選手権後の“端境期”。
新人が優勝をさらうか?

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大会ポスター

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大会の見所

  • 女子
  • -230
  • -240
  • -250
  • -260
  • 260+

女子には高校や大学での柔道経験者が続々参加してきてる。経験年数では同じでも、打撃経験者の週1,2回の練習と違い、柔道の場合は大抵高校(さらには大学)と、週5,6日の本格的な練習を積んだものが多いから、身体能力的には相当の開きがあるとみなければならない。そこをどう意識して打撃の選手が自分のペースに持ち込むかが勝敗の分かれ目だろう。

この階級は世界大会後症候群で昨年までの上位者は引退、もしくは休養がハッキリしてる。その一方で、その間隙をぬって若手の伸長と行きたいのだが、予選段階でそれを見出すことはできなかった。しかし逆に言うと、ノーマークだからこそ、伸び代のある選手が頭角を現すチャンスとも言える。確実に上位を見込める目黒雄太に誰がストップをかけるのか?

小野亮や能登谷佳樹、巻礼史と言ったベテランと柳川慶夫、高橋良宣といった中堅選手に、今後の-240を主導することになるだろうという國枝厚志、服部晶洸、寺口法秀という若手等多士済々だ。この階級は日本人にとって最も層の厚いクラスだからテクニシャンぞろいで試合としては丁々発止で面白い。しかし、一方、世界大会で唯一ベスト4が出なかった階級だ。力のある相手とどう戦うか?を常に念頭に、コップの中の嵐で終わらないような戦いを心掛けてほしい。

-250は今大会の優勝候補の清水亮汰は選手生活で初めての怪我ということで、また、コノネンコや勝直光といった優勝経験者が出場せず、世界大会出場者の中では唯一、深澤元貴が出場する。対するはもう一皮むけて欲しい杉浦宗憲と藤田隆と言った所か。

-260ということは、日本人の場合、身長175cm前後で体重85kg前後だが、炭水化物中心の食生活をする日本人の体重は、スピードを要求される打撃系のトレーニングでは比較的落としやすいので、体重を絞れば-250に入れる。一方、260+のクラスは元々が、180cm前後以上で、体重が90㎏以上が多いので、-260には落としにくい。従って、これまでの北斗旗の歴史では-260のクラスは比較的層が薄い。しかし、今大会では山田壮、渡部秀一、加藤和徳、大日向貴之、等々の世界大会戦士に新進の伊藤新太、押木英慶が勢ぞろいしたので屈指の激戦区となるだろう。

260+のクラスは“鉄板”の加藤にとって、直前の格闘技戦と本番の世界大会で不覚を取ったことで、今後の練習計画をどうするのか?基本的に3分の戦いとラウンド制、グローブとKFG(空道フィストガード)の違いなど、熟考すべき課題であろう。一方、組技が土台でありながら打撃にも器用なところを見せてきてる野村幸汰がどのような勝ち方をするのか?に焦点が当たる気がするが、打撃戦での絶対量が少ない選手には当の野村にも世界大会でも起きたように、一打逆転の打撃技の怖さがあるから安心はできない。また超高校生の体格ということで、北斗旗の今までの年齢制限(18歳以上)を支部長の推薦と保護者の嘆願で動かし、出場が決定された岩﨑大河。昨年のU19では最年少(16歳)な上に、ジュニアルール(顔面攻撃なし)からの切り替えができておらず、メキシコの18歳キック経験者(海外では年齢制限なしの場合が多い)のパンチに敗れた苦い経験を、今後に繋げるためにも、しっかりした試合がしたいものだ。

2015体力別全日本大会 展望

世界選手権後の“端境期”。新人が優勝をさらうか?
それとも“台東の悲劇”組、リべンジなるか?

総論

過去、4年に1度の世界選手権後の最初の全日本大会といえば、世界選手権を機にベテラン選手が引退、あるいは引退でなくとも世界戦線で闘ってきた選手が休養をとる(欠場する)ため、思わぬ選手が上位進出を果たすケースが多々あった。いってみれば端境期。今大会でも、想定外のニュースターが現れるかもしれない。一方で、昨年10月13日に台東リバーサイドスポーツセンターで行われた世界選手権日本代表最終選考試合で敗れ、ギリギリのところで世界へのキップを逃した巻礼史(-240)、杉浦宗憲(-250)、伊藤新太(-260)らもエントリーしている。彼らは、あの“台東の悲劇”の悔しさを全日本を獲ることで晴らしたいという思いでいっぱいなのだろう。果たして、今大会よりU19から一般へのカテゴリー転向を果たす、岩崎大河(260+)、川下義人(-240)、大倉萌(女子)といった面々が、昨年の清水亮汰同様に、ベテランたちをなぎ倒していくのか?それとも、ベテラン勢が意地を見せるのか?4年後に向け、すべてのドラマは、この日に始まる。

女子

世界選手権に出場した3人のうち、前原映子、吉倉千秋が引退し、庄子亜久理は欠場。そんななかで、柔道で東海大学のチームメンバーとして全日本学生選手権3位の実績をもつ大谷美結、同じく柔道経験を活かし、組み技で強さを発揮する戸田佳奈子、18歳となりはじめて一般の全日本に参戦するジュニア大会王者・大倉萌今野杏夏……と、新鋭が出揃った今大会。地区予選において、大倉が大谷の、今野が戸田の組み技に屈しているだけに、ジュニア出身者が打撃でリベンジを果たすのか、それとも柔道出身者がパワーの差を再びみせつけるのか?注目が集まる。一方で、これら新人に対し、2011年に全日本を制した神山喜未がキャリアの差をみせつけてくれれば、多くの者に希望を与えることになる。

大谷美結。関東地区予選決勝において、内股一閃。この後、腕十字で大倉から一本を奪った。

-230

2013年全日本-230クラス準優勝・全日本無差別4位、2014年世界選手権-230クラス第3位の目黒雄太が優勝候補筆頭。2010年全日本-230クラス準Vの近田充、2006年全日本-230クラス準Vの渡部和暁、その渡部から東北予選決勝で効果3を奪った阿部宏信が追走する。ダークホース的存在は、キレのよい右ストレートで九州予選を制した田中正明か。

関東地区予選において、目黒(左)は際立った強さをみせて優勝。世界選手権日本代表の力をみせつけた。

-240

半年前の世界選手権代表が誰もエントリーしていない男子唯一の階級。2006年全日本同階級準優勝の実績をもち、昨年、最終プレーオフで世界選手権日本代表の座を逃した巻礼史は、今大会で初の全日本制覇を果たし、無念を晴らすことができるか?06年全日本-250クラス優勝者・小野亮、00年全日本-250クラス優勝者・能登谷佳樹が階級を下げて出場権を得たのもトピックだが、その小野・能登谷らが出場した関東地区予選を制した服部晶洸、同準優勝の國枝厚志の20代前半ならではの勢いのある闘いぶりが、ベテランを制する可能性も高い。また、小学校入学とともに空道の世界に入り、大谷高校空道部の主将を務め、昨年世界選手権U19準優勝を遂げた川人義人が初めて一般カテゴリーにエントリーするので、どこまでやるか?巻と同じく世界代表候補だった吉濱実哲柳川慶夫、打撃のキレる神代雄太にも注目したい。

川人義人(中央)。大谷高校卒業後は大道塾日進支部に戻り全日本クラスの選手達と稽古を積んでいる。

服部晶洸(左)。高校時代に大道塾仙台西支部に入門し、大学進学にともない横浜北支部に。今春、大学を卒業し、就職。聴覚障害をもちながら、コツコツと基本稽古、移動稽古を続ける実直な性格で、ブレのない打撃を身につけた。

-250

清水亮汰が稽古中の膝のケガで欠場するこの階級、2013年全日本無差別7位、2014年世界選手権‐250クラス日本代表の深澤元貴、その深澤にプレーオフ戦で日本代表の奪われた杉浦宗憲が本命か。関東地区予選を制した加藤智亮は、空手団体所属の選手ながら、組み技、組んでの打撃含め、空道を熟知した闘いぶりをみせる。2014年世界選手権‐260クラス第3位の加藤和徳の実弟だけに、何が必要かは熟知しているのだろう。この他、地力のある藤田隆のアグレッシブな闘いぶりにも期待したい。

-260

昨年の全日本同階級優勝者の加藤和徳に加え、渡部秀一山田壮と、2014年世界選手権日本代表が3名も出場する。渡部は、優勝したアダム・カリエフに対して絞め技を極めかけるなど、もっとも肉薄した闘いをみせていた。加藤と渡部は、昨年と一昨年の全日本で1勝1敗だけに、両者が対戦すれば、因縁の決着戦となる。一方、世界出場を逃した伊藤新太は22歳にして7年、押木英慶は23歳にして12年の空道歴をもつ。そろそろ世代交代を主張したいところだろう。

260+

体力別5度の優勝を誇る加藤久輝はしばらくの間、MMA(無着衣総合格闘技)競技にて研鑽を重ねるため、欠場。その留守を守るのは、柔道において2014年全日本選手権ベスト16と申し分ない戦績を誇り、空道でも昨年の世界選手権270+クラスで準優勝した188センチ、120キロの野村幸汰か。対抗馬は、この階級らしからぬスピードの右ストレートをもつ、もう一人の270+クラス世界選手権代表、辻野浩平だろう。特例として出場を認められた185センチ、96キロの17歳、岩﨑大河が彼らにどこまで迫るか?期待したい。

岩﨑大河。関東地区予選において、ひと回り、ふた回り年上の選手を相手に3勝を重ね、優勝を果たした。

その他

関東地区予選の優勝者。左から大谷、目黒、服部、加藤、押木、岩崎。フレッシュな面々が出揃った。

今大会より、全日本大会としては初めて、ポイント制が導入される。得点盤の活躍にも期待したい。

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