大会結果

THE WARS 6

日時2002年07月17日(水)
会場後楽園ホール(東京)

※下記所属団体名LCは「リュットコンタクト」の略です

北斗旗ルール 本戦3分延長3分

○平塚洋二郎(那覇支部)-マシュー・マクレガー(誠空会:豪)●
[延長戦2分10秒 腕ひしぎ十字固めにより平塚選手一本勝ち]

WARSルール3分3R

●八島有美(横浜教室)-デュカステル・ステファニー(LC:仏)○
[2R2分15秒 腕ひしぎ膝固めステファニー選手一本勝ち]

WARSルール 5分、3分の2R制

△稲田卓也(横浜教室)-ボナフ・ロラン(LC:仏)△
[1R3分30秒 ボナフ選手出血の為ノーコンテスト]

WARSルール 3分3R

△八隅孝平(パレストラ東京)-ディディエ・リュッツ(LC:仏)△
[ポイント0-0 時間切れ引き分け]

北斗旗ルール 本戦3分延長3分

○伊賀泰四郎(関西本部)-佐藤繁樹(東北本部)●
[本戦45秒 佐藤右肩脱臼の為試合続行不能、ドクターストップ]

WARSルール 3分3R

△飯村健一(総本部)-ファド・エズベリ(LC:仏)△
[ポイント0-0 時間切れ引き分け]

WARSルール 3分3R

○藤松泰通(総本部)-デニス・フランソワ(LC:仏)●
[ポイント1-0 1Rパンチによるポイントで藤松選手判定勝]

WARSルール 5分、3分の2R制

○山崎進(総本部)-フォートリー・パトリック(LC:仏)●
[ポイント3-0 本戦パンチによるポイントで山崎選手優勢勝]

WARSルール 3分3R

○小川英樹(中部本部)-ドゥロ・ブノワ(LC:仏)●
[2R2分40秒 ヒールホールドにより小川選手一本勝ち]

WARSとは

『WARS』2001年7月発行「大道塾二十年のあゆみ」より転載

時は90年代前半、格闘技界はグローブ空手ブームの只中にあった。グローブ空手の賞金トーナメントが開催され、正道会館が「K-1」をスタートさせた時代である。

大道塾では現実の格闘に近い攻防を安全に実践する為、素手+顔面防具という北斗旗ルールスタイルに拘り続けてきたが「北斗旗ルールよりもグローグルールの方が実践的・安全的」「大道塾はグローブ戦に対応できない」等といった世論が無視できない程の高まりを見せるようになり、大道塾のグローブ戦への対応力を証明する目的で1992年に開催したのが第一回目のウォーズ「THE WARS7.7」であった。

記念すべき大会でメインイベントの重責を担ったのはこの試合が3戦目のグローブ戦、そして3年振りの国内復帰戦となった“ヒットマン”長田賢一。ムエタイの元統一王者を強打でダウン寸前まで追い込んだ長田をして格闘技メディア各誌は「たった一夜で実力日本一を証明」と評する。

翌93年に行われた第二回大会「THE WARS’93」で加藤清尚と対戦したのはオランダのライアン・シムソン。当時は無名だったが、後にキックボクシング界において中量級世界最強の座に就く超強豪である。結果、加藤は判定1-2で惜敗したが、身長で19cm上回るシムソン相手に大健闘。超満員の客は賞賛を惜しまなかった。

2度のウォーズ大会でグローブ戦への対応力を実証した大道塾は1994・95年と北斗旗に専念するが、その間新たに格闘技界を席巻したのはブラジリアン柔術の台頭による「組み技至上論」。当時のエース・市原海樹がアメリカのUFCでホイス・グレイシーになすすべなく敗れたこともあり、「打撃主体の北斗旗ルールは寝技主体の総合格闘技には対応できない」といった論調に襲われた大道塾は、総合系ルールの試合を打撃で勝つことをテーマとした第二次ウォーズ大会を、以降3回に渡り開催することになる。

1996年の「THE WARSⅢ」では大道塾とシューティング(修斗)の交流戦第1ラウンドがST特別ルールの元で行われ。森直樹が九平に判定負けを喫するも、プロシューターの寝技を凌ぎ切り総合ルールへの対応について成果を残す。また、メインでは長田賢一がロシア支部のマルチノフと北斗旗スペシャルルールで対戦し、マウントパンチで圧倒、健在ぶりを示した。

翌97年、「THE WARSⅣ」の中で行われた修斗公式戦3試合では森直樹、山崎進が各々プロ修斗の九平、中尾受太郎に快勝して大道塾勢が勝ち越し。特に森は九平のタックルを切って打撃でダウンを奪い、前年の借りを返すとともに大道塾のアイデンティティーを体現することに成功している。

更に1999年「THE WARSⅤ」では、小川英樹が修斗の元ライト級王者・田中健一とWARSルールで、山崎進がパンクラスの現エース・美濃輪育久とノールールで対戦し痛み分けたが、総合のエキスパートを向こうに回して緊張感溢れる交流戦を闘い抜いた。

過去5回のウォーズ大会による「実証」「実験」を経て確固たる北斗旗スタイルを完成させた今、これからのウォーズは「挑戦」「交流」によって選手達に稽古のモチベーションとなるような新たな表現の場を提供することが役目となるだろう。世界に向けて開かれた北斗旗を目指す為に、大道塾の侍達に熱き自己啓発を期待する。